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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

新潟県五泉市・小林文夫さんの場合

関 なかなか産地ができないわけですね。

小林 気候が合っているということもあります。冬は雪が降るところが一番よいのですが、最近は雪が降らなくてね。だんだんと産地が北に移動していくのではないですか。

関 雪が降った方がよいというのは。

小林 雪が降って積もると、土中の温度はマイナスになりませんから。寒さには強いですが、覆土が5、6cmしかありませんからね。

関 それでは外気の影響を直接受けてしまいますね。

関 春になり芽が出る。病害虫で一番問題なのは。

小林 アブラムシや腐敗病もあるがウイルスが一番こわいです。

関 ウイルスは広がりますからね。防除は何月頃まで。

小林 5月中旬頃まで。花を摘むのが4月の29日頃からゴールデンウィークにかけて、それから上が枯れるまでの栽培期間が1ヶ月ほどあります。その間も防除が必要です。

関 チューリップでは必ず輪作をされているとのことですが、元の作へ戻ってくるのに何年ぐらいかけているのですか。

小林 最近は圃場がなくて早くなりましたね。5年ぐらいおけるとよいのですが、3年ぐらいが普通でしょうか。堆肥を入れて田植はしないが水を張って、その秋植え込むという人もいます。汚染菌がそれほどいない圃場であれば作れるかもしれませんが。

関 五泉市の五泉という名の由来は5つ川があったことからきているということですが、この辺りは川が運んだ土であり、沖積の砂目のところも粘土系のところもあるということでしょうか。

小林 そうです。

関 畑としては、排水のよい作りやすい土ですね。

小林 自然の排水で十分で、暗渠を入れる必要がありません。排水対策としてはサブソイラで十分ですね。

関 田んぼを掘っていると礫が出てくるところは。

小林 そういうところもありますが、そこは極力避けるようにしています。

関 チューリップを栽培している方々の土壌診断に対する関心は高いのでしょうか。

小林 結構ありますね。皆普及センターを通して調べてやっていますね。

関 微量要素の問題で、前にこのコーナーで取材させていただいた、石川県で小松菜を年9作やっておられる中本さんから、根こぶの問題があり相談を受けました。特にアブラナ科では、連作によって微量要素が多く持っていかれてしまいます。有機物は硝酸の問題がありますので、多量の施用はできない。そこで私は転炉スラグを推薦しました。それから1年、「根こぶがほとんど出なくなった」という電話がきました。今特に環境保全ということで有機栽培が強調されていますが、無機物質の循環についてもっときちんと考えられるべきではないでしょうか。根の健康の問題や微生物層の問題はそれと大きく関係していると思います。地上部以上に、根部には多くの生長点があります。そこを健全に細胞分裂させてやるために、微量要素の問題が重要となるのです。まだまだ微量要素肥料に対する研究が進んできたとは言い難い状況です。その点多くの場合、根部を商品にしている人は非常に感覚が優れています。チューリップをされている方々もそうなのだろうと思います。

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