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【江刺の稲】
21世紀も「あたりまえ」でいくしかない
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第59回 2001年01月01日
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明けましておめでとうございます。
そして、やはり21世紀が始まったと書くべきなのでしょう。
鉄腕アトムを見て育った世代である筆者は、「21世紀」という言葉に、SF的とでもいうべきか、「はるかなる未来」という語感を感じてしまう。そして、「21世紀」は「未来へのあこがれ」を意味する象徴的な「ことば」として使われていたようにも思える。あと10日もすればそれが始まってしまう今の今になっても。もっとも、今でも思い出せるほど懐かしい主題歌とともにアニメになってTVで放送され始めた頃になると、やがて人々が「科学技術の発展」や「進歩」という言葉自体にアレルギー反応を起こす原因になる事件が様々に発生してきてもいた。
しかし、子供時代に当時の人々が感じていた21世紀への憧憬を思えば、今頃は、花電車が帝都を走り人々は提灯行列で新世紀の到来を祝う今日この頃であってもおかしくないはずだった。しかし、筆者が観察する限り、世の中は冷静というのが正しいのだろうが拍子抜けするような静けさだ。要は不景気、想像を絶する負債を抱えたまま更にその借金を先延ばしにした、サラ金苦に苦しむ日本という家族にとってはそれどころではないというのが実状なのだろう。そして、年の瀬に浮かれ者のTVばかりが「20世紀最後の」を連発する。そんなTVが「20世紀を代表する」といっても、それはTV登場後というよりほとんどは若い視聴者の記憶で追いつけるこの数年の話題や流行ばかりでばかばかしくなる。
そして、やはり21世紀が始まったと書くべきなのでしょう。
鉄腕アトムを見て育った世代である筆者は、「21世紀」という言葉に、SF的とでもいうべきか、「はるかなる未来」という語感を感じてしまう。そして、「21世紀」は「未来へのあこがれ」を意味する象徴的な「ことば」として使われていたようにも思える。あと10日もすればそれが始まってしまう今の今になっても。もっとも、今でも思い出せるほど懐かしい主題歌とともにアニメになってTVで放送され始めた頃になると、やがて人々が「科学技術の発展」や「進歩」という言葉自体にアレルギー反応を起こす原因になる事件が様々に発生してきてもいた。
しかし、子供時代に当時の人々が感じていた21世紀への憧憬を思えば、今頃は、花電車が帝都を走り人々は提灯行列で新世紀の到来を祝う今日この頃であってもおかしくないはずだった。しかし、筆者が観察する限り、世の中は冷静というのが正しいのだろうが拍子抜けするような静けさだ。要は不景気、想像を絶する負債を抱えたまま更にその借金を先延ばしにした、サラ金苦に苦しむ日本という家族にとってはそれどころではないというのが実状なのだろう。そして、年の瀬に浮かれ者のTVばかりが「20世紀最後の」を連発する。そんなTVが「20世紀を代表する」といっても、それはTV登場後というよりほとんどは若い視聴者の記憶で追いつけるこの数年の話題や流行ばかりでばかばかしくなる。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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