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特集

―中・外食のサラダメニュー拝見―
メニューから考える農産物マーケティング

消費ニーズから見えてくる新たな野菜需要

 こうしてみると、野菜のマーケットというのは意外なところにあることが見えてくるのではないだろうか。たとえば、漬け物の市場を見ると、ここ10年間生産量はほとんど変化していない。だが、キムチに関していえば突出して伸びているのだ。1990年には8.3万トンだった生産量が、1999年には約25万トンに拡大した。特にここ3、4年の伸びは著しい。日本向けにキムチ輸出を手がける「韓国農協インターナショナル」によると、輸入品を含めたキムチ市場は、97年の550億円から年々100億円程度のペースで伸びており、現在は800億円程度といわれている。

 さらに意外なことに、800億円のうち、日本で加工されるものが全体の8割。輸入品は2割に過ぎず、圧倒的に国産が多い。最近、大手量販店が韓国のキムチ加工業者と契約して、大量に輸入するケースが増えているが、それでも日本で作られるものが断然多いのだ。また、「妻家房」のように産地と手を組んで、野菜づくりに取り組もうという外食企業もでてきた。キムチのマーケッ卜一つを取ってもみても、国内野菜の需要が広がる可能性は十分ある。

 「食の外部化」ということがよく言われる。家で料理をして食べる割合が減り、「外食」や、惣菜などを買って食べる「中食」が増えた。だから「スーパーで菜が売れない」という。だが、そこで悲観的になるのではなく、外食産業まで視点を拡げて「消費者は何を食べたがっているのか」を追っていくと、新たな野菜の需要もみえてくるのではないだろうか。(青山浩子)

妻家房
東京都新宿区四谷3-10-25工芸ビル
TEL.03-3353-0100

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