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身近なものが秘める数の神秘
うまくいっていても、ときにそうでないときがあっても、生き物の美しさに日々目をうばわれる仕事とはよいものに違いない。そこで植物はなぜ美しいかと考えるのは野暮だろうか。心の働きに理屈をつけるのは興ざめということも多いけれど、理屈がとてつもない神秘を感じさせてくれることもある。
1つの節に葉が1枚つくのを互生葉序(螺旋葉序)というとこの本に書いてあった。そして、茎の周りを何回転する間に何枚の葉がつくかという“回転数/葉の数”なる分数で植物を分類する方法があり、その分数の現れ方には法則性があるとも。極限は、茎の周りを137・5度回るたびに1枚の葉をつけながら360度に21枚の葉を並べる形になるという。ヒマワリの種もかように並んでいる由。この137・5という角度を「黄金角」と呼ぶそうだ。
書中にはネット、ローン、カーナビの話も出てくるが、中盤以降にはこの葉の話のほか、コオロギの鳴き方や天気予報の話が出てくる。読むほどに、田園の魅力から遠ざかったことと、数学の勉強をおろそかにしたことの後悔とを感じる。(齋藤訓之)
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