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シリーズ TPP特集

TPPの解き方(2)
【農協ではなく農業者の意見を】
対談!慶応大・渡邊頼純教授&農業ビジネス編集長・浅川芳裕(4)

  • 慶応義塾大学 総合政策学部 教授 渡邊頼純
  • 2013年01月30日
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GATT事務局での勤務のほか、日本・メキシコのFTAでは首席交渉官を務めるなど、名実ともに自由貿易交渉の第一人者である慶応大学の渡邊頼純教授。FTA交渉の実態のほか、TPPをめぐる国内議論について聞いた。農業ビジネス編集長・浅川芳裕との対談。(編集・窪田新之助)

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農業者インタビューはこちらから

『解説FTA・EPA交渉』(北樹出版、2007、外務省経済局EPA交渉チーム 著, 渡邊頼純 監修)、『TPP参加という決断』(ウェッジ、2011、渡邊 頼純 著)』




浅川 これまでの日本のWTOやEPA交渉を振り返ると、JAという農協界の意見が農業界の意見になっていましたよね。JA全中が政治家を動かし、交渉に付いてくる。だから、彼らが交渉の一部始終を見張っているみたいな環境だった。恐らく全中は相当交渉の詳細を抑えているでしょう。そうした農協界ではなく、農業者の主張を反映させるにはどうしたらいいですか。

渡邊 勉強会を交渉立ち上げの前にやるべきではないでしょうか。産業界も農業界も、賛成派も反対派も入って。これまではEPA交渉をするとなれば、そのための意見を聞く場を設けるにしても、賛成派が開催すれば賛成派しかいないし、反対派が開催すれば反対派しかいない。TPPもそうですよね。本当の意味での対話が行われていない。やはり通商関係で国民会議をつくり、ステークホルダー(利害関係者)が入る形で議論するべきではないでしょうか。

浅川 それから交渉時、国内では誰に意見を出せばいいのですか?

渡邊 それはそれぞれの所管官庁になるでしょう。農業分野の交渉について、経産省は農水大臣の頭越しに農業問題について何かを言うことはできない。その点、外務大臣は特定産業の所管がなく、所管官庁のコーディネートをする立場にあります。


交渉に向け新たな横の連携を

浅川 交渉開始後はどうなんですか。メキシコとのEPA交渉を伺っていると、向こうの養豚業者は日本と連携して米国に対抗する提案をするなど、やり手だったわけですよね。例えば彼らはどうやって交渉官に意見を伝えようとしていたんですか?

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