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シリーズ TPP特集

TPPの解き方(3)
【農協と高米価】
キヤノングローバル戦略研究所・山下一仁研究主幹

  • キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 山下一仁
  • 2013年02月20日
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TPPは「農業問題」ではなく「農協問題」という、キヤノングローグローバル戦略研究所・研究主幹の山下一仁氏。農協はなぜTPP参加に強く反対するのか。それは本当に農家のためなのか。そのカラクリを解き明かすことで、農業問題の本質も見えてくるという。国内有数の農政通である同氏に話を聞いた。(取材・まとめ・窪田新之助)

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農協利益のための高米価

――私はご著書を何冊も拝読してますが、山下さんは以前から、「TPPは農協問題」「農業はコメ問題」という主張を展開されてますよね。TPPのご意見を伺う前に、そのことが重要だと思いますので伺わせてください。

そうだね。では、まず抑えておきたいことがある。それは、なぜ農協がこれほどまでに大きな組織になり得たかということ。この点で一番重要なのは、農協が政治力を使って米価を上げさせてきたことだ。農協にとっては、高米価を維持することでコメの販売収入が上がり、販売手数料につながった。現在は販売手数料を定率から定額にしたと言っているけれど、あれは何で定額にしたか分かる?

――いえ、なぜですか?

米価が下がったからだ。手数料は定率で算出すれば、下がってしまう。だから定額にすることで、農協にとって不利になる事態を防いだわけだ。

――なるほど。それから高米価は農協だけでなく、兼業農家も存続させる方向に働きましたよね。

高米価で滞留した兼業農家はサラリーマン所得を農協の口座に回した。さらに彼らが農地を転用し、それも農協口座に入る。そうして集まった金を、JA農林中金がウォールストリートで運用して莫大な金を得たわけだ。兼業農家を温存することで政治力も維持できた。商品の価格が下がると、どの産業でも普通はコストを見直すでしょ。しかし、JA農協の問題解決法はまずは永田町に駆け込むこと。こんなことをするのはJA全中しかないわけだよ。

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