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特集

産直のための鮮度管理技術
“予冷”で届けるお客さまへの心配り

野菜生産者のための鮮度管理技術 -果菜編-


果菜類の鮮度保持のポイントは呼吸と蒸散をどうコントロールするかにある。イチゴ、キュウリ、ナスの例を挙げながら、産直で行える果菜類の鮮度管理について解説する。

(愛知県農業総合試験場 流通利用研究室 経営環境部 伊藤 茂)


 果菜類とは、果実を食用にする野菜のことで、トマト、ナス、ピーマンなどのナス科とメロン、スイカ、キュウリなどのウリ科に属する野菜が多い。この他、バラ科のイチゴなども含まれる。しかし、消費者は食材として、メロンやイチゴのようにデザートに用いる果実的野菜とキュウリやナスなどの野菜に分ける場合が多い。消費者の果菜類に対するニーズも、自ずとこの分け方によって変わる。果実的野菜は、おいしさや甘さが重要であり、キュウリやナスなどは、新鮮さが重要となる。

 一般に、市場出荷を前提とした場合、イチゴやトマトは八分着色で収穫し、流通中に追熟させ、消費者の手に届く頃、最高の食味となるように品質管理することが必要となる。一方、キュウリやナスは、“収穫した時の鮮度・品質”をいかに保持して消費者に届けるかが重要となる。

 ところが、産直を主体にした経営では、果実的野菜でも完熟期に収穫し、販売することが多い。この場合は、収穫時にすでに食味は最高になっており、キュウリやナスと同様、その時点の鮮度品質を維持させることが重要となる。

 つまり、果菜類の鮮度保持は、収穫時期や出荷販売形態の違いによって、その方法も変わることを考えなければならない。


果菜類の収穫後の生理

 果菜類の鮮度を低下させる生理的要因は、呼吸と蒸散である。

 呼吸作用によって、貯蔵養分が消耗するため、食味の劣化、栄養価の損失が生じる。呼吸量は温度に左右され、低温で低く抑えることができることから、予冷は最も重要な鮮度保持技術と言える。

 また、蒸散は果菜の表皮をしおれさせ、商品価値を低下させる。蒸散量は、温度と風の影響を受けやすく、低温で蒸散が抑えられる果菜にトマト、カボチャがあり、低温になっても蒸散が激しい果菜は、キュウリ、ナスがある。これらの違いは、果菜の表皮であるクチクラ層の厚さによって決まる。トマトに比べ、キュウリやナスは表皮が薄いため、低温になっても蒸散が激しい。

 今回は、イチゴ、キュウリ、ナスを事例に生産者ができる鮮度保持を考えてみる。

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