ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

シリーズ TPP特集

TPPの解き方(3)
【農業の構造改革】
キヤノングローバル戦略研究所・山下一仁研究主幹

  • キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 山下一仁
    • 無料会員
    • ゴールド
    • 雑誌購読
    • プラチナ


TPPは「農業問題」ではなく「農協問題」という、キヤノングローグローバル戦略研究所・研究主幹の山下一仁氏。農協はなぜTPP参加に強く反対するのか。それは本当に農家のためなのか。そのカラクリを解き明かすことで、農業問題の本質も見えてくるという。国内有数の農政通である同氏に話を聞いた。(取材・まとめ・窪田新之助)

シリーズTPP特集(毎週水曜日更新)はこちらから


農業者インタビューはこちらから



柳田國男に始まる構造改革論

――ところで、山下さんのご著書を読んでいて面白かったのは、民俗学者の柳田國男の話です。彼は旧農商務省の役人時代、農業の構造改革論を述べていたんですね。私は大学時代に民俗学を専攻していて柳田の本は色々と読みました。でも農政論は未読でして、彼があのような論文を書いていたのはまったく意外でした。

僕が一人だけで主張していれば無視されただろうけど、あの柳田國男も同じことを言っているんだぞと(笑)。彼は1900年に東大法学部を卒業後、農商務省に入ったんだね。いわば僕の大先輩。それで経済産業研究所に飛ばされた時に柳田の農政論に関する本を読んだら、僕もびっくりしたよ。 当時は今と同じで、農業界では「日本の農業は土地が狭いからアメリカに勝てない」という風潮だった。それに対して彼は「関税の他に対策はある。農地の改良だ」というんですね。また、こうも語っている。「たかだか3反、4反の小農の目には世界の市場なんて見えないだろう。だからある程度規模の大きい農業を作る必要があるんだ」と。これが柳田國男の主張なんだね。

――民俗学者から受けていたイメージとは随分違います。

確かに民俗学をやっているくらいだから、僕も保守的な人かなと思っていたんだから。それがまったく違った。実際には農業の構造改革論を主張した最初の人。まったくすごい人がいたなと。


減反廃止でコメに競争力を

――柳田國男には民俗学だけではなく、農政学でも勉強させられる思いです。それで、農業の構造改革を進めるにはどうすればいいと思いますか。

まず、コメ生産を主業農家に集中するだね。減反を廃止すれば、米価は1俵8000円くらいにまで下がる。その差額を主業農家に所得補償すればいい。そうすれば彼らに農地が集まって、規模の拡大につながる。すると地主に払える地代も増えていく。そういったうまい循環を作ることができる。

関連記事

powered by weblio