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シリーズ TPP特集

TPPとわが農業(4)
【経営者の選別】
宮坂隆男氏(北海道別海町)

  • (株)デーリィーファーム宮坂 代表取締役 宮坂隆男
  • 2013年03月13日
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安倍晋三首相は近く、TPP交渉への参加を表明する見通しだ。すでに交渉に入っている11カ国が目指す妥結の時期は10月。コメとともにセンシティブな品目である畜産を営む農家はどんな心境でいるのか。25年前から農政について農水省との勉強会を設けてきた、北海道根室地域の農業者でつくる根室酪農情報プラン会議の会長を務める宮坂隆男氏に話しを聞いた。(取材・まとめ・窪田新之助)

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TPPをきっかけに本当の議論を

――宮坂さんはガット・ウルグアイラウンドも目の当たりにされてきましたよね。当時も今のように騒がれました。

そうだね。TPPもそうだけど、貿易自由化の話でいつも思うのは、農業や農村に平等主義がはびこっていることが厄介だと。一方で本当に強い農業をどう作るかという議論が抜け落ちているでしょ。これは我々のような主業農家、農業だけで食べている人たちにとってみれば冗談ではないわけさ。

――そういう意味でいえば、当時も今も変わっていない。農業の保護を叫ぶばかりで、これからの時代をどう乗り越えていくかが見えてこない。そのことが、先ほどのお話にあったような、気づいたら乳量で外国産が上回ってしまったという事態を招いているんでしょうね。

そうだろうね。そもそもJAなんかが言う「TPPから守るべき農民」という言葉には、ごまかしがあると感じている。本当の農業や農村の問題になっていないでしょ。ガット・ウルグアイラウンドの時もそうだった。あの時には周りから散々に言われたよ。「特別に対策が打たれたのは農業だけじゃないか、それも6兆100億円もある」と。でも、それだけの税金が投じられたのに、農業生産現場や経営改善にはその影も形もない。だから今のように根本的な問題を先送りしていては何も変わらないと思う。そのことを考える上で、TPPはいい機会ではないか。

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