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【シリーズ TPP特集 】
TPPとわが農業(4)
【農協改革の必要】
宮坂隆男氏(北海道別海町)
- (株)デーリィーファーム宮坂 代表取締役 宮坂隆男
- 2013年03月20日
安倍晋三首相は近く、TPP交渉への参加を表明する見通しだ。すでに交渉に入っている11カ国が目指す妥結の時期は10月。コメとともにセンシティブな品目である畜産を営む農家はどんな心境でいるのか。25年前から農政について農水省との勉強会を設けてきた、北海道根室地域の農業者でつくる根室酪農情報プラン会議の会長を務める宮坂隆男氏に話しを聞いた。(取材・まとめ・窪田新之助)
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――農業の構造改革が否応なく求められている中、農協についてはどうみていますか?
農協はもっとやるべきことはあるはずだよね。日本がTPPに参加して10年後に関税がなくなる可能性があるならさ。農家への借金の取り立てや貸しはがしに躍起になってて、本業の営農指導なんかはそっちのけでしょ。
――TPPを前にしても、反対を叫ぶだけのような気がしますね。
反対を叫ぶだけではなくてさ、職員は農業経営をどうするかを一緒になって真剣に考えないといけないよね。彼らに聞きたいのは、組合員が経営の改革や改善に取り組み、将来に柔軟性を持った経営の展開を助けるつもりはあるのかということ。客観的に将来を判断できないような組織に、組合員は憂慮だとか不安とかを持ちながら、自分の経営と生活の未来を託していかねばならないわけさ。
――それではあまりに不安が大きいですよね。
特に自分たちのような専業的な経営者にとってみれば、いずれ社会潮流から置き去りにされてしまうのではないかと懸念を持ってしまう。このままではさ、いずれ消費者や国民から見放されてしまうのは間違いないと思う。昔からのような協同組合の理念で経済活動をしている農協が、果たして専業農家の経営を守れるのか。僕は疑問に思うね。今こそ待ったなしの農協組織改革が必要なんだよ。
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宮坂隆男 ミヤサカタカオ
(株)デーリィーファーム宮坂
代表取締役
1946年東京生まれ。東京農大農業拓殖学科中退後、北海道で酪農実習、千葉県畜産試験場畜産研修生を経て、酪農場、西春別農協で人工授精師勤務。1976年、結婚後妻の実家で就農し、総頭数130頭、草地60haから経営開始。2007年法人化し、代表取締役に就任。現在の経営規模は総頭数460頭、生産乳量2850t、飼料畑240ha。根室酪農ヘルパー協議会委員長、西春別酪農ヘルパー利用組合長、21‘C根室酪農情報プラン会議会長(酪農家政策研究グループ)、TMRセンター(有)ウェストベース取締役を兼務。
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