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【シリーズ TPP特集】
TPPの解き方(3)
【対中戦略(上)】
キヤノングローバル戦略研究所・山下一仁研究主幹
- キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 山下一仁
- 2013年03月27日

TPPは「農業問題」ではなく「農協問題」という、キヤノングローグローバル戦略研究所・研究主幹の山下一仁氏。農協はなぜTPP参加に強く反対するのか。それは本当に農家のためなのか。そのカラクリを解き明かすことで、農業問題の本質も見えてくるという。国内有数の農政通である同氏に話を聞いた。(取材・まとめ・窪田新之助)
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力ではなくルールで対抗
――経済の問題以外で、日本がTPPに参加する意味についてはどうお考えですか?
それについては2年前に中国の漁船が、日本の海上保安庁の監視船に体当たりしたのは覚えてる? あれを契機として日中関係が悪くなったでしょ。中国は日本にだけレアアースの輸出を禁止した。昔なら中国はこんなことはやらなかったはずだよ。
――なぜですか?
というのはね、日本は中国にODAという援助をしていたから。日本にそんな変な事をやれば、援助を止められる恐れがあったわけだ。ところが今は日本はODAをしてないから、中国はやりたい放題。今の日本には中国に対して力で対抗するだけの力はないわけ。じゃあ力で対抗できなければ何で対抗するのかと。
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山下一仁 ヤマシタカズヒト
キヤノングローバル戦略研究所
研究主幹
東京大学卒業、同博士(農学)。1977年農林省入省。ミシガン大学大学院を経て、02年国際部参事官、OECD農業委員会副議長を最後に退官。経済産業研究所上席研究員を経て、09年8月にキヤノングローバル戦略研究所客員研究員。10年4月から現職。主な研究分野は、食料・農業政策、中山間地域問題、WTO農業交渉、貿易と環境、貿易と食品の安全性など。
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