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改正農協法で変わる農協経営

経済事業の赤字を信用と共済事業の黒字で補填する。農協界特有のドンブリ勘定だが、6月22日に成立した改正農協法でこれが御法度になってしまった。明朗会計の時価会計制度を農協にも原則適用、連結決算を強化したことによるものだ。
 経済事業の赤字を信用と共済事業の黒字で補填する。農協界特有のドンブリ勘定だが、6月22日に成立した改正農協法でこれが御法度になってしまった。明朗会計の時価会計制度を農協にも原則適用、連結決算を強化したことによるものだ。

 連結決算強化に向けての制度改正はすでに実施されていた。1月の省令改正で信用事業に関連した子会社のみに連結決算を義務づけたことだ。それを経済事業関連の子会社にも広げたのが今回の法改正である。

 経済事業には関係子会社が多い。葬祭業や保険代理店とか農産加工業や倉庫業などだ。そのいくつかは経済事業の赤字を飛ばす避難先にもなっている。そこに連結決算を義務づけられたらどうなるか。本誌読者なら容易に想像がつくことだろう。

 農水省金融調整課の奥原正明課長は、「会計上、経営上、農協は何も特殊な組織ではありませんからね。農協を持別扱いすることもなければ、特別扱いする気もありません。企業会計原則に則ってやってもらうしかないのです」と語る。

 今回の法改正でやがて農協界に大激震が走る。連結対象にしたことで赤字飛ばしが不可能になるばかりか、かりに赤字が続けばやがては経済事業部門のお取り潰しだってあり得る。あるいは全農を頂点とした系統経済事業の再編にも重大な影響を与えかねないのだ。


メガトン級の爆弾


 ドンブリ勘定を禁止したことは、法 11条3の「信用事業を行う農業協同組合は、信用事業に係る会計を他の事業に係る会計と区分して経理しなければならない」との条項でうたわれている。信用や共済で稼いだ利益で経済の赤字を埋めることはまかりならんとしたのだ。

 赤字の飛ばし先である子会社にも目を光らせた。同11条2の「主務大臣は、借用事業を行う農業協同組合の経営の健全性を判断するため、信用事業子会社以外の子会社も含めて自己資本充実の状況が適当であるかあるかどうかの基準を定めることができるものとする」との条項がそれ。負債の多い問題子会社へ、農林大臣のチェック権限を与えたのだ。

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