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土門「辛」聞

農水省の焦りで見えてきた減反終焉の日

 減反問題は、売れない者が対応すれば、簡単に解決するのである。売る力がないのにもかかわらず、コメを作ったり、コメを集荷したりする者がいるから、問題が一向に解決しない。つまり、減反の大半は農協組織固有の問題と言い切れる。商人系業者は、売れないコメは絶対に買わない。そんなことをしたら、在庫を抱えて会社を潰してしまうのだ。この基本原則を貫けば減反問題は解決するというのが筆者の見解である。

 ところがJA全中とJA全農に、もはや農協組織に減反問題を解決できる力はない。あまりにも多くの構造的矛盾を抱えているからだ。その最たるものが、信用・共済と経済事業の「総合農協」体制。地方経済よし、米価よしの時代はよかった。減反で少々無理なことを言っても「ま、仕方がないか」と農家も協力してくれた。それが逆モードになれば、減反の協力を要請すれば、農家に反発され、結果として組織の力を弱めることになる。

 主産地の零細兼業農家が増反に走り始めたことは、地方経済の不振により農家の懐事情が急速に悪化したことが背景にあると説明してきた。そんな状況下で、農協が農家に減反を強要することができるだろうか。締め付けが過ぎれば、農協共済の解約、最悪の場合は農協脱退を誘発するだけである。農協組織がそのリスクを冒してまで減反を押しつけることは不可能であろう。

 次いで日本農業法人協会と全国稲作経営者会議(略称、全国稲経)。大規模生産者代表ということでメンバーに加えたようだが、残念ながら、この両組織にはその資格なしである。大規模生産者の組織率が低すぎ、その活動実態も大規模生産者の利益を代弁しているとは言い難いからだ。

 後者は「全国」の名称こそついているが、なぜかいくつかの主産地が加入していない。北海道、秋田、静岡などだ。最近は脱退する生産者も多い。1500名と称する会員数もジリ貧傾向にある。大規模生産者の利益を代弁する組織の性格が消え失せ、減反を推進する行政の別働隊的性格が強まり、それに反発した生産者が増えているのだ。

 定かな統計数字はないが、生産者の数が多い10ha以上なら2割程度の加入率か。20ha以上なら5割程度。30ha以上に絞れば、6割から7割は加入しているのではなかろうか。でもこの層は生産者の数は少ない。

 メンバーには2タイプがある。農地を借りての稲作経営組に、農作業を請け負う作業受託組である。後者が全体の7割を占める。その理由は簡単だ。農地を借りての規模拡大は経営が求められるからだ。まず減反に応じるか否か。次いで何を作付けするか。どこへ売るか。いかなる品質のコメを作るか。その都度、経営判断は求められる。かりに減反は応じない、農協には出荷しないという独自の経営判断を下せば、必ず集落と農協とぶつかる。

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