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日本の企業経営の源流を探る
江戸時代には金・銀・銭の変動相場、為替の発達、市場が決めていた金利水準など、資本主義的な市場経済のシステムが機能していたと本書では解く。本誌読者であればご存知の通り、大阪・堂島米会所に先物取引市場が開設されたのも1730年(享保15年)の江戸時代である。
もちろん、江戸時代の経営をそのまま現代にリプレースするわけにはいかない。しかし、約260年に渡って持続的な経済発展が続いた江戸時代における市場経済システムをあらためて掘り起こしてみることで今後の企業経営のヒントがつかめるかもしれない。面白いと感じたのは、江戸時代の経済の競争化、新製品開発、隙間産業(ニッチ)への着眼、新規市場の開拓、多角化、イノベーションは紅花の生産や流通において象徴的にみられたという話。現代では輸入品や化学染料にシェアを奪われた紅花、その紅花生産者とそれを荷受加工していた京都の老舗、公儀の御用達商人や下請けの零細加工業者までが入り乱れた資源獲得合戦を丁寧に解説している。 (並木訓)
江戸商人の経営(ビジネス)戦略 (日経ビジネス人文庫)
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鈴木 浩三
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