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シリーズ TPP特集

TPPの解き方(4) 【TPPに勝つ方法 国に依存しないための「ニッポン農業自由化5カ条」】 農業ビジネス編集長 浅川芳裕

  • 農業ジャーナリスト 浅川芳裕
  • 2013年04月24日
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日本農業がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に勝つ方法は、全国の農家が国に依存しない黒字経営を行うしかない。これを実現する具体的政策として、筆者は「ニッポン農業自由化5カ条」を提唱している。

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(1)特定作物への優遇政策を撤廃する。

現状では、国が指定する特定作物(コメ、麦、大豆、ソバ、サトウキビなど)をつくる農家に、面積当たりの交付金が支給されている。農業振興策として長年実施されてきたが、逆効果である。助成額が高い作物ほど市場価格が下がり、それをつくる農場の赤字度合いは高い。

そこで、現行制度を廃止して、何をつくっても面積当たりで一律の金額を支給する。助成額が高いものをつくるというインセンティブがなくなり、何をつくるかという重要な経営判断は農家次第となる。自発的な技術・能力開発が進み、黒字化へのコスト削減や営業・マーケティング活動が農場経営に定着する。

(2)減反政策を完全撤廃する。

「農家のつくる自由」を完全保証することが、(1)を実現する必要条件になる。そこで、最も重要な政策転換は減反の完全廃止である。現在、国の介入で4割以上の水田でコメをつくれない。これを無くせば、自らの農地を100%活用できる。各農家は限られた経営資源を生かせ、増収増益の農業を目指す経営の基盤がようやく整う。

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