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農業経営者ルポ「この人この経営」

ヤギ酪農・他の人がやらないから俺がやってみた

牛乳が苦手という人たちは回りにも多くいる。牛乳の脂肪が刺激しておなかがゴロゴロしたり、体調を崩すからだ。しかし、もっと深刻なのは、牛乳アレルギーの人たちだ。 牛乳やバター、チーズでもアトピー症を引き起こすと、通常の食生活もままならない。我が子の痛々しさにノイローゼになる母親がいるとも聞く。そんなアレルギーを引き起こさない高栄養な食品として、ヤギのミルクは注目を浴びている。

『ヤギの酪農』の意味

 牛のミルク=牛乳はαカゼインが主体だが、ヤギのミルクは人間の乳と同様のβカゼインが主体だ。牛乳には。アトピーなどのアレルギーを引き起こすアレルゲンの一つにαS1カゼインが含まれているが、ヤギのミルクにはそれがない。そのため、ミルクアレルギーが出にくいのだという。

 古くからヨーロッパでは「母乳に一番近いミルク」としてヤギのミルクは重宝されている。

 タンパク質や脂肪、乳糖、灰分、カルシウム等は牛乳のそれより1割~2割多い(右のグラフ参照)。

 牛乳が、消化吸収に3時間以上かかるところが、ヤギのミルクは30分以内に消化吸収されるという。まさに健康食品なのだ。川村さんの牧場には噂を聞きつけた人から、「アトピー対策に是非ともヤギのミルクを分けてほしい」との問い合わせが多く寄せられている。


320頭のヤギ

「ヤギのミルクはくせがあって臭いと言われますけど、ちゃんと処理されたものはそんなに臭いものではありません」と川村さん。

 繁殖シーズンの、雄の特有な臭いがミルクに付着するから臭いのだという。これがちゃんと管理され、適切な処理をされている衛生的なミルクだと不快な臭いはしない。

 岩手県・盛岡市の北、滝沢村に川徳牧場はある。約10hの草地で乾草とデントコーンサイレージを作っている。

 一見、普通の酪農牧場に見えるが、一つちがうことは、牛ではなく「ヤギの酪農牧場」だということだ。

 日本ザーネン種の山羊。搾乳に120頭、育成・乾乳期のヤギが120頭、雄・肥育が約100頭いる。

「女房はヤギ酪になって、仕事が楽になったと喜んでいますよ」と笑う川村さん。

 120頭のヤギの搾乳は川村さんと奥さんの二人でこなし、絞ったヤギ乳は地元の業者に委託してパッケージ、販売を行っている。

 また、年間50~100頭の肉用山羊は、沖縄の業者に生きたまま売り渡している。

 沖縄ではヤギの料理を「ヒージャー」と呼び、人気がある。「山羊のチーイリチャー」「山羊の刺身」「山羊汁」など、沖縄ではお祝い事など「晴れ」の場で大人数でヤギの肉料理を食す。

 岩手県内で屠畜することもできるが、なぜ生体で沖縄まで送るのか?

 沖縄のヤギ肉料理は「皮付き」のまま使われる。屠畜の際、皮は剥がずに毛をバーナーで焼いて処理するのだという。

 地元の屠畜場では、皮をはぎ、半丸の枝肉にしか処理してくれない。これでは商品価値が低くなってしまうので、沖縄に生きたまま輸送し、沖縄の屠畜場で処理してもらわなければならないのだ。

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