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農業経営者ルポ「この人この経営」

ヤギ酪農・他の人がやらないから俺がやってみた


 ヤギの飼い方や資料はほとんどない。すべて自分の手探りの経験を積み重ねることからだった。

「最初は悲惨でした。子ヤギをずいぶん死なせてしまった」とつぶやく。

 今までの酪農の経験がある。施設も牛舎を少し改造すればよい。餌も牧草とサイレージ。作業機は何も変えないでよい。

 ただ、搾乳のミルカーは牛のままではダメだ。ヤギ専用のものを輸入しなければならない。

 何とかなるだろうと内心は甘く見ていたが、ある程度の頭数になると、瞬く間に新生児の事故が多発しはじめた。

 生後1週間の間の新生児の死亡率はかなりのものがあったという。現在でも70%ぐらいの生存率だ。

 とにかく、すべてが手探りだった。

「でもお陰様で、いろいろなコツや経験を得ることができました」と屈託がない。

 10年来の積み重ねがやっと実をつけてきたのだ。今では、県の農業試験場や普及所の先生が、ヤギに関する問い合わせや研究への助言を川村さんに求めてくるという。


ヤギの酪農の課題

 日本山羊の飼養頭数はこの10年で激減の一途をたどっている。ある意味、種の絶滅を危惧されているほどだ。

 現在、統計的に確認されている国内のヤギ飼養頭数は2万8000頭程度。1950年代には肉用ヤギを合わせて約67万頭が飼養されていたというから、激減というより絶望的な減り方だ。

 しかし、各地でヤギの酪農を押し進める動きも増えてきている。牛乳アレルギーの対策として注目されていることもある。

 一般的にヤギ酪農の経営には二つの課題がある。

 一つは、スケールメリットの追求である。生産性を上げ、コストを下げる。そのためにはある程度の規模の飼養頭数が必要となってくる。しかし、頭数を増やすための投資をするには、それなりの消費市場が確立されていなければならない。

 そして、消費が伸びました。はい、明日から頭数増やします…と簡単なものではない。

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