ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特集

市場の新野菜2

 「欲しい野菜が彼等に届いていないのですよ」

 「特殊な野菜になると輸入してこなければならない」

 「でもイタリア料理やフランス料理には不可欠な野菜があるのです」

 高見沢さんがエンダイブ生産に本格的に取り組んだのもこの時期だった。

 しかし、単に思い付きだけではちゃんとした生産はできない。

 「私も、レタス栽培をしていなければエンダイブを作れなかったでしょう」と高見沢さん。

 「半分ぐらいはレタスの経験が活きましたが、残りは自分の手探りでやってきました」

 栽培の基本は「土づくり」にあった。牛糞堆肥やカニ殻などの有機肥料を鋤き込み、微生物資材も投入している。連作障害に敏感でもあり、有機肥料主体の土づくりを始めて十数年になる。

 「今でも、販売額に占める有機肥料コストは一割を切ることはありません」

 エンダイブはカルシウムの吸収が強い作物だった。石灰とリン酸を有効に効かせることは火山灰土壌ではなかなか難しい。微量要素と養分のバランスは重要なポイントになる。完全無農薬の栽培ではないが、結果的に有機肥料を活かすことにより、健康なエンダイブが育ち、農薬の使用量は半分以下となった。


 種子屋さんから購入するエンダイブの種子はゴマ粒ほどの大きさしかない。レタスなどの種子は、発芽促進や生育を均一化させ播種作業の省力化を狙ってコーティングしたものを使う。しかし、エンダイブに関してはコーティングしては発芽割合が落ち、均衡に発芽・生育しない。コーティングしないままの種子をバラ播きして、育苗、定植しなければならない。

 エンダイブの栽培に詳しい人は周りに居なかった。農業改良普及員も、農協の営農指導員も、本や雑誌で読んだことはある…程度の知識しかなかった。すべて自分で実際にやってみて積み重ねることから始まる。

関連記事

powered by weblio