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特集

―枝豆(だだちゃ豆)の収穫体系を通して考える―“最高”より“最適”を選べ!


 木村さんは「土がしまった時の引抜きが大変で、親も自分も肩が腱鞘炎になっている。職業病だ。」と言っていた。

 だだちゃ豆の体系でも使用できる収穫機が近年市販され、その導入が徐々に行われつつある。それらについての詳細は後述する。

 だだちゃ豆の場合、比較的最近まで枝付き(根付き)出荷が主流であった。農協には枝豆を格納する予冷庫がなく、だだちゃ豆の流通は常温で行われていた。

 ブームが到来し作付け規模が拡大、流通も広域化した。農協もだだちゃ豆用の通風式予冷庫を持ち、ある程度の鮮度管理体制が確立された。宅配産直の分野でもクール便が発達した。枝付きより莢での出荷量が増え、脱莢機も一本一本処理する手こぎタイプのものから自脱型が主流となってきた。

 枝付き流通が主流だった当時、莢出しでは地場でしか消費することができなかった。ところが莢出しがほとんどとなった現在、庄内の地場の直売所では逆に枝付きを店頭に置いて、お客さんにはその場で手こぎタイプの脱莢機でもいで売るなどのパフォーマンスが行われたりしているという。


◎ケーススタディ1――木村 充さんの場合 (株)広洋エンジニアリング 振動式ネギ掘取機の選択


 木村さんはだだちゃ豆のメッカ、鶴岡市白山地方で2haのだだちゃ豆と共にコメ、ネギなどを栽培している(詳しくは本年8月号「農業経営者ルポ」参照)。

 現在、だだちゃ豆の多くは水田の転作地で栽培されていることが多いが、木村さんのいる白山地方は畑作地帯である。

 だだちゃ豆ブームの火付け役的存在ともなった木村さんが最初に導入した機械は手こぎ式の脱莢機である。木村さんは枝付き出荷をしていたころから、贈答用の注文も受けていた。大きな段ボール箱に枝付きを三把といった出し方だった。そしてクール便が発達し莢出しができるようになった。現在は、自脱型の脱莢機を使用している。調製場で枝豆は脱莢機を通り莢だけとなり、選別機に上がってくる。選別は機械選別、手選別の順で行われる。選別された枝豆は洗浄され予冷庫に置かれる。

 木村さんは露地栽培と共に早出し用のハウス栽培も行っているが、露地での作付けは、一畝一条で、畝幅90cm、株間30cm、一条90mである。移植作業は、木村さんがトラクタを運転しお父さんとお母さんが自家製の移植機に乗って手で植えていく。

 木村さんは、収穫に(株)広洋エンジニアリングの「振動式ネギ掘取り機」を使用している。まず90mの間に3、4人が立ち、トラクタで掘取った枝豆をまずそれぞれの人がある程度まとめる。2、3条終わったところで軽トラとトラクタダンプに積み込み、調製場に持っていく。

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