ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特集

―枝豆(だだちゃ豆)の収穫体系を通して考える―“最高”より“最適”を選べ!


 (株)広洋エンジニアリングの振動式ネギ掘取機については、2000年11月号で詳述しているのでご参照いただきたいが、簡単に説明すると、「振動式ネギ掘取機」は同社のトラクタ用掘取機シリーズの一つで、PTO駆動の振動機構を持つ本体部に、作物や作業目的に応じたユニットを装着できる方式となっている。「振動式ネギ掘取機」はトラクタにオフセット装着して「側条掘り」の形で作業する。枝豆栽培ではところによって1畦2条という栽培形式があるが、だだちゃ豆の場合、培土を行うということもあり1畦1条となっている。これが掘取機の選択を可能としている。畝に沿ってトラクタが走行するとともにだだちゃ豆が徐々に浮上、根に付いた土もリフターフォークの上下動によってふるい落とされ、だだちゃ豆は並べるように一方向に倒されていく。後は拾い上げトラクタのダンプに乗せていく。

 木村さんに広洋エンジニアリングのネギ掘取機を選択した最大の理由は何かと尋ねたところ、「うちはネギも作っているのでその汎用性を考えてのことです。更にこの形であれば冬の間の根株物、山菜の促成物といった経営の発展性につなげていくことができます。それが掘取機を選択した最大のポイントですね」と言っていた。

 ネギとだだちゃ豆では畝幅も畝高も違う。下段に紹介している他の3機種は畝をまたぎ、ある程度の畝高を想定して機械レイアウトが考えられているが、側条掘りの掘取機の場合、それをあまり考えなくともよい点が、汎用性につながっているわけだ。だだちゃ豆の場合、高く培土をすることを前述したが、それもクリアされる。木村さんが言うように、アタッチメントを換えることで、他の作物への汎用性もある。

 木村さんが栽培されている白山だだちゃ豆は、他の品種に比べ倒伏の起こりやすい品種でもある。他機種では、ある程度の倒伏率に対応してはいるものの、それを越えた倒伏があると一本一本手で起こしながらが機械を通していかなければならなくなる。そうなると作業効率は一気に落ちてしまう。同社の掘取機を使用した場合、倒伏はほとんど問題とならず、作業効率に影響を与えることはない。

 木村さんは、あまり除草剤を使用することをよしとしていない。しかし、培土だけでは完全な除草はできない。実は、木村さんの圃場にはヤンマー農機(株)の引き抜きタイプの収穫機、(株)ミヤマエンジニアリングの刈取りタイプの収穫機が共に実演機として入ったことがあるが、どちらも雑草が問題となってしまったという経験を持っている。そういう意味でも掘取機は対応可能ということだ。現在、木村さんは機械除草の手段を模索中である。

関連記事

powered by weblio