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【シリーズ TPP特集】
「コメ」東京大学農学部 本間正義教授
- 東京大学大学院 農学生命科学研究科教授 本間正義
- 2013年08月21日
(取材・まとめ/窪田新之助)
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護送船団方式の農政との決別
――いまコメの生産費を下げるべきだというお話がありました。ただ、実際の政策はまったく違う方向に向かっているようにみえます。民主党時代に戸別所得補償制度(現:経営所得安定対策)が始まり、減反とともに高米価を維持する仕組みが復活しましたね。
ああいう護送船団方式の農政は自民党時代に終焉したはずだった。そもそも護送船団といえる食管制度を止めたわけじゃないですか。なおかつウルグアイ・ラウンドの時には、国際化の中で日本の農業が生きていくためには米価を下げるということで合意があったはず。それが民主党政権になって先祖がえりをしてしまった。戸別所得補償というネーミングはいいんだけれども、あれは昔の米価政策と同じ。生産費所得補償方式って米価を決めていたものの復活です。
――新規需要米と言いながらまったく需要のないところに多額の交付金を出しているのは、おかしな話ですよね。結局、減反だけで米価を維持するのが難しいから、新たに米粉や飼料用稲などに補助金を出してきたんでしょう。
そうでしょうね。
――改革を進めるために、大幅に関税を下げるべきなのではないですか?
そう思います。重要品目といえども例外とせず、国内対策で重点的に改革すればいい。その場合には例えば3年なり5年なりの区切りを設けて重点的に予算措置をする。しかし、その期間を越えたらもうお金は出さないよ、というのをきちんと前置きしておく。だから3年なり5年の間に重点項目を進めるということが必要だと思っているわけです。
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本間正義 ホンママサヨシ
東京大学大学院
農学生命科学研究科教授
1951年山形県生まれ。帯広畜産大卒。アイオワ州立大博士課程終了後、小樽商科大、成蹊大教授などを経て現職。専門は農業経済学、農業政策論、国際農業経済論。主著に『農業問題の政治経済学』『農業問題の経済分析』など。
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