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田牧一郎のカリフォルニア稲作便り

日本の稲作は国際競争力を持てるのか?(その5)

カリフォルニアの2001年産米は、春の作付け時期にはコメの価格の低迷、そして水田かんがい用水の売却もあって、水田の作付け面積が前年対比で約15%減少しました。しかし、単位面積あたりの収穫量が平年作を上回ったため、コメ業界が期待したような供給量にはなりませんでした。
 2000年産米の持ち越し在庫もあり、価格が急に上昇するような環境にはないのですが、とにかく値上げをしたい意向が精米業者全体にあり、(実際どこまで値上げできるかは別として)5~10%程度の値上げを希望しています。 


 アメリカ国内のコメ消費は毎年拡大し順調なのですが、問題は輸出です。特に日本向けのウェイトが大きくなり、この入札のために精米業者や穀物商社など輸出側の価格競争が激しくなり、カリフォルニア米全体の相場を下げるひとつの要因になっていることも事実です。それに国際相場の低迷が続いたためにアメリカ産のコメが割高となり、輸出市場で価格競争が厳しいことも相変わらずの低価格の原因です。

 世界的なコメの豊作と穀物全般の低価格構造から抜け切れず、大きな渦の中にいると言えると思います。

 これは結果として開発途上国がコメを購入しやすい環境を作っているとも言えます。その反面、コメを輸出して外貨を稼いでいる所にとっては大きな打撃でもあります。

 コメの生産と流通をめぐっての各国の利害は単純には判断しきれない部分でもあります。

 このような国際相場と海外市場での価格競争、そして輸入されるコメとの国内マーケットでの競争のために前回紹介した価格調整機能が役に立ちます。

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