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パン食か米飯か、料理の種類やそこで使う食材の変遷。一方ではかつては高い値段で売れた伝統の食材が失われていったかもしれないが、昔は見たこともない作物を作っている人も多いはずだ。さらに、現代人の労働形態や生活の要求からフードビジネスは様々な業態の「食」の提供をするようになっている。
今月の特集である「惣菜」についても、かつての肉屋さんで売っていたコロッケ(そういえば『今日もコ~ロッケ~♪』という歌もあった)や下町に昔からあった経済性や手軽さで喜ばれた惣菜店だけではなく、文字通り高級感や特別の食材を使った惣菜というものが客を呼ぶ時代になった。
また、レシピを付けて、半調理した夕食材料を宅配するというビジネスも人気を博している。また、そういう企業から宅配用の果物や野菜を提供して欲しいという要請が、農通インフォマートへも多数寄せられている。
生産者としての農業経営者が消費者に直接接しているフードビジネスとの関係性を深めるべきだと本誌は提案してきた。フードビジネスと言っても、それは誰もが知っているファーストフードのチェーンばかりを考える必要はない。あなたの町にある生業レベルのラーメン屋さんや蕎麦屋さんや様々な食堂も、現代の「食」の重要な担い手なのである。“食べる人”のために生産者と食の職業人は一緒になって仕事を、そして未来を作り出すべきだと申し上げているのだ。さらに、現代のフードビジネスは、あらためて伝統の食事や食材への関心を高めている。それは、農業からの提案を活かし易い時代ということでもあるのだ。
食文化とは極めて保守的であり、一度刷り込まれた食文化を持つ人間はなかなかその食習慣を変えない。そして、前述のような“思い込み”というものもなかなか頑固なものなのである。
我々の多くは、“食事は母親が家で作る”というのがあたりまえに育った世代かもしれない。でも、まな板や包丁の無い家庭もやがては珍しくなくなるだろうという時代に我々は生きている。その時、農業は何を求められるのだろうか。
そして、これは疑いようも無い事実である。これからの「食」の需要者とは、現在の外食文化、惣菜文化、給食文化の中で育っている子供たちなのであり、すでに30歳代の日本人とは、まさにその外食文化の中で育ってきた世代なのだということを農業経営者たちは肝に命ずるべきである。
今月の特集である「惣菜」についても、かつての肉屋さんで売っていたコロッケ(そういえば『今日もコ~ロッケ~♪』という歌もあった)や下町に昔からあった経済性や手軽さで喜ばれた惣菜店だけではなく、文字通り高級感や特別の食材を使った惣菜というものが客を呼ぶ時代になった。
また、レシピを付けて、半調理した夕食材料を宅配するというビジネスも人気を博している。また、そういう企業から宅配用の果物や野菜を提供して欲しいという要請が、農通インフォマートへも多数寄せられている。
生産者としての農業経営者が消費者に直接接しているフードビジネスとの関係性を深めるべきだと本誌は提案してきた。フードビジネスと言っても、それは誰もが知っているファーストフードのチェーンばかりを考える必要はない。あなたの町にある生業レベルのラーメン屋さんや蕎麦屋さんや様々な食堂も、現代の「食」の重要な担い手なのである。“食べる人”のために生産者と食の職業人は一緒になって仕事を、そして未来を作り出すべきだと申し上げているのだ。さらに、現代のフードビジネスは、あらためて伝統の食事や食材への関心を高めている。それは、農業からの提案を活かし易い時代ということでもあるのだ。
食文化とは極めて保守的であり、一度刷り込まれた食文化を持つ人間はなかなかその食習慣を変えない。そして、前述のような“思い込み”というものもなかなか頑固なものなのである。
我々の多くは、“食事は母親が家で作る”というのがあたりまえに育った世代かもしれない。でも、まな板や包丁の無い家庭もやがては珍しくなくなるだろうという時代に我々は生きている。その時、農業は何を求められるのだろうか。
そして、これは疑いようも無い事実である。これからの「食」の需要者とは、現在の外食文化、惣菜文化、給食文化の中で育っている子供たちなのであり、すでに30歳代の日本人とは、まさにその外食文化の中で育ってきた世代なのだということを農業経営者たちは肝に命ずるべきである。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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