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司会 「減反、そんなの関係ねぇ~、オッパッピー!の米産地はどこですか」
土門 「過剰作付けということでみれば、福島はワースト1、茨城ワースト3ということだ。ワースト2は千葉。でもワーストという表現は絶対におかしいと思わないか。それだけコメが売れていて誰にも迷惑をかけていない。売れ残って政府米で買い上げてもらっていることこそが納税者に迷惑をかけるという意味でワースト産地と呼ぶべきだ」
司会 「マーケットが求めないものを作らせ、マーケットが求めるものを作らせない。その挙げ句、税金を使って政府がお買い上げする。どうみても異常ですね」
土門 「その異常に両センセーとも気がついていない。ここは自由に作らせることだ。コメが余れば、なぜコメが売れないか。その方が原因もよくつかめるはずだ」
司会 「地域経済と減反の関係が指摘されています」
土門 「以前の減反問題は、政府の統制に反対するとか、多分に主義主張に起因していた。大潟村が格好の例だった。いまは違う。生活苦が大きな問題になっている。ここを見落としてはいけない。特に兼業機会の少ない北東北の生活はとても深刻だ。彼らは、主義主張ではなく生活をかけて増反に走っている。田圃から1円でも稼ごうという算段なのだ。こうした農家に、『みんながコメを作ったら値段が下がるから減反に協力せよ』と説いてみても、何の説得力も持たない。減反を強制したら、逆に反感を買うだけだ」
司会 「このことを政治家のセンセーは理解していますか」
土門 「理解していたらマル適マークなど荒唐無稽な発想は出てこないよ。センセーは、地元に戻っても農協組合長レベルとしか話をしないのではないかな。その連中は生活に困ることもないし、上部団体から指示されたことをオウム返しに言っているだけだ」
司会 「産地つくり交付金を増やすといっても、転作関係の機械類は処分してしまった農家も多いと聞きます」
土門 「農家は増反で、転作の機械類を処分してしまっている。いまさら機械投資をして転作に応じる奇特な農家がいるかな。もう少し現場を見てからモノを言ってほしいね」
司会 「民の竈(かまど)を見ていないということですか」
土門 「高き屋にのぼりて見れば煙立つ民の竈賑わひにけり。仁徳天皇の歌だね。高殿に登って国のありさまを見わたすと、民家からは煙がたちのぼっている。民の竈も豊かに栄えているのだなあ、という意味である。加藤紘一大センセーや西川センセーがやっていることは、農民がせっかく竈に火を起こして、煮炊きをしているのに、竈の中に水をかけるような愚かな所業であることを認識すべきである」
土門 「過剰作付けということでみれば、福島はワースト1、茨城ワースト3ということだ。ワースト2は千葉。でもワーストという表現は絶対におかしいと思わないか。それだけコメが売れていて誰にも迷惑をかけていない。売れ残って政府米で買い上げてもらっていることこそが納税者に迷惑をかけるという意味でワースト産地と呼ぶべきだ」
司会 「マーケットが求めないものを作らせ、マーケットが求めるものを作らせない。その挙げ句、税金を使って政府がお買い上げする。どうみても異常ですね」
土門 「その異常に両センセーとも気がついていない。ここは自由に作らせることだ。コメが余れば、なぜコメが売れないか。その方が原因もよくつかめるはずだ」
司会 「地域経済と減反の関係が指摘されています」
土門 「以前の減反問題は、政府の統制に反対するとか、多分に主義主張に起因していた。大潟村が格好の例だった。いまは違う。生活苦が大きな問題になっている。ここを見落としてはいけない。特に兼業機会の少ない北東北の生活はとても深刻だ。彼らは、主義主張ではなく生活をかけて増反に走っている。田圃から1円でも稼ごうという算段なのだ。こうした農家に、『みんながコメを作ったら値段が下がるから減反に協力せよ』と説いてみても、何の説得力も持たない。減反を強制したら、逆に反感を買うだけだ」
司会 「このことを政治家のセンセーは理解していますか」
土門 「理解していたらマル適マークなど荒唐無稽な発想は出てこないよ。センセーは、地元に戻っても農協組合長レベルとしか話をしないのではないかな。その連中は生活に困ることもないし、上部団体から指示されたことをオウム返しに言っているだけだ」
司会 「産地つくり交付金を増やすといっても、転作関係の機械類は処分してしまった農家も多いと聞きます」
土門 「農家は増反で、転作の機械類を処分してしまっている。いまさら機械投資をして転作に応じる奇特な農家がいるかな。もう少し現場を見てからモノを言ってほしいね」
司会 「民の竈(かまど)を見ていないということですか」
土門 「高き屋にのぼりて見れば煙立つ民の竈賑わひにけり。仁徳天皇の歌だね。高殿に登って国のありさまを見わたすと、民家からは煙がたちのぼっている。民の竈も豊かに栄えているのだなあ、という意味である。加藤紘一大センセーや西川センセーがやっていることは、農民がせっかく竈に火を起こして、煮炊きをしているのに、竈の中に水をかけるような愚かな所業であることを認識すべきである」
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
土門辛聞
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