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司会 「ところで竈の中に水をかけろと命じたのは誰ですか」
土門 「内金(仮渡金)7000円で農協界から大ブーイングの全農だ。全農某幹部は公然と『ボクたち政治家を使う人、キミたち政治家に使われる人』と公言しているそうだ。キミたちとは、農水官僚のことだ。そのレトリックでいえば、加藤紘一大センセーも西川センセーも全農のパシリということになる。かつては総理総裁を目指した加藤紘一大センセーも、全農のパシリになるようじゃ、政治家をやめた方がいいのではないかな」
司会 「パシリって、何ですか」
土門 「使い走りを意味する若者言葉だ。全農に使われる政治家は、真の生産者の声を聞かず、農協組織の一方的な情報で動いていることがこれでよくわかる。減反強制の狙いは米価よりも全農組織を維持することが目的なんだ」
司会 「全農が組織維持という根拠は」
土門 「コメの分野でも農協の全農離れが起きている。全農に頼らない独自販売を伸ばしているのだ。全農が絶対に触れられたくない事実のようだ。農協が集荷した数量から全農に委託販売した数量を差し引けば、すぐに出てくるが、なぜかしら世間には公表していない。でも農水省がしっかりと公表しているのだ」
司会 「へぇ、全農にも弱点があるのですね」
土門 「これは全農米穀事業最大の問題点と思うよ。実態が知れ渡って、各地の農協で独自販売が広まれば、その時点で全農米穀事業は万事休すになる。それはともかく数字を追ってみよう。出所は農水省の『米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針』だ。最新版には、06年度は81万tから162万tとある。ちなみに00年は24万tから33万t。急激に増えていることが分かる。これに対し全農の取扱高は466万tから352万tに減っている」
司会 「農協独自販売の数字に幅がありますね」
土門 「デモ参加者の警察発表と主催者発表の数字のようだ。これだけ幅があると、どちらが正しいか詮索したくなるね。でも統計をちょっと見れば高めの数字が正しいことがすぐわかる。農家から農協が集めた数字と、全農が販売を委託された数字はハッキリしている。農協独自販売の数字の高い方と全農への販売委託数量を足すと、ほぼピッタリ農協が農家から集めた数字になるからだ。不思議大発見だな」
司会 「グラフにすれば将来の予測もできますね」
土門 「いずれ逆転するトレンドが読み取れる。現時点でその差は190万tある。単純にいえば、全農が100万t減って、農協の独自販売が100万t増えれば逆転してしまう。農協が独自に販売する制度的な整備がなされたら3~4年で100万tの増加ぐらいはすぐ達成できる。農協の独自販売に勢いがつけば全農の販売委託数量などガクンと落ちてしまう」
ボクたち政治家を使う人、キミたち政治家に使われる人
土門 「内金(仮渡金)7000円で農協界から大ブーイングの全農だ。全農某幹部は公然と『ボクたち政治家を使う人、キミたち政治家に使われる人』と公言しているそうだ。キミたちとは、農水官僚のことだ。そのレトリックでいえば、加藤紘一大センセーも西川センセーも全農のパシリということになる。かつては総理総裁を目指した加藤紘一大センセーも、全農のパシリになるようじゃ、政治家をやめた方がいいのではないかな」
司会 「パシリって、何ですか」
土門 「使い走りを意味する若者言葉だ。全農に使われる政治家は、真の生産者の声を聞かず、農協組織の一方的な情報で動いていることがこれでよくわかる。減反強制の狙いは米価よりも全農組織を維持することが目的なんだ」
司会 「全農が組織維持という根拠は」
土門 「コメの分野でも農協の全農離れが起きている。全農に頼らない独自販売を伸ばしているのだ。全農が絶対に触れられたくない事実のようだ。農協が集荷した数量から全農に委託販売した数量を差し引けば、すぐに出てくるが、なぜかしら世間には公表していない。でも農水省がしっかりと公表しているのだ」
司会 「へぇ、全農にも弱点があるのですね」
土門 「これは全農米穀事業最大の問題点と思うよ。実態が知れ渡って、各地の農協で独自販売が広まれば、その時点で全農米穀事業は万事休すになる。それはともかく数字を追ってみよう。出所は農水省の『米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針』だ。最新版には、06年度は81万tから162万tとある。ちなみに00年は24万tから33万t。急激に増えていることが分かる。これに対し全農の取扱高は466万tから352万tに減っている」
司会 「農協独自販売の数字に幅がありますね」
土門 「デモ参加者の警察発表と主催者発表の数字のようだ。これだけ幅があると、どちらが正しいか詮索したくなるね。でも統計をちょっと見れば高めの数字が正しいことがすぐわかる。農家から農協が集めた数字と、全農が販売を委託された数字はハッキリしている。農協独自販売の数字の高い方と全農への販売委託数量を足すと、ほぼピッタリ農協が農家から集めた数字になるからだ。不思議大発見だな」
司会 「グラフにすれば将来の予測もできますね」
土門 「いずれ逆転するトレンドが読み取れる。現時点でその差は190万tある。単純にいえば、全農が100万t減って、農協の独自販売が100万t増えれば逆転してしまう。農協が独自に販売する制度的な整備がなされたら3~4年で100万tの増加ぐらいはすぐ達成できる。農協の独自販売に勢いがつけば全農の販売委託数量などガクンと落ちてしまう」
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
土門辛聞
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