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司会 「内金水準7000円は取扱数量を減らすことにはなりませんか」
土門 「グッドポイントだね。そもそも7000円にしたのは、全農が無い袖は振れなくなったということだ。仮渡金を高くすれば、コメ余りの中で全農にコメがドンドン集まってくるからだ。先の統計資料でも、米余りになった04年から全農の取扱数量が増えている。農協が全農にコメを持ち込ませないように仮渡金水準を下げてブレーキをかけたと見るべきだ」
司会 「目から鱗ですね」土門「全農と農協が一枚岩というのは、昔の話。いまは狐と狸の化かし合いではないが、農協は品質の悪い『売れないコメ』を全農に持ち込み、『売れるコメ』は独自販売に回す農協もある。全農は、『売れないコメ』のゴミ箱と言ったら言い過ぎになるが、全農は一部の農協からこの程度に思われているようだ」
司会「農家と農協の関係もよく似た話がありますね」
土門 「品質の良いコメは縁故米に回し、品質の悪いコメを農協に出荷する。農家は現金なものだ」
司会「ところで全農の前途はどう見ていますか」
土門 「決算書に目を通すと、依然と厳しい数字が並んでいる。仮に米穀事業が過剰米処理で損を出さなくなっても、全農事業全体としてマイナスになるだろうな。他の部門でも農協の全農離れにピッチがかかる。全農がホントのピンチを迎えるのは、それが現実になった時だ。資産処理などで決算を繕ってきたが、それもやがて限界を迎える。事業本体の利益を出すことができなければ、民事再生法へ一直線ということにもなろう」
司会 「全農にコケにされた農水官僚に一言」
土門 「月並みだけど、元気出せ、だ。それと米政策改革大綱の初心に戻ることだ。全農ごときに翻弄されるようであったら、世間から情けない役所と思われるだけだ」
司会 「全農退治法はありますか」
土門 「ちょっと知恵を使えばよい。農協が全農に頼るのはコメの販売と仮渡金の調達だ。特に後者は農協の自立を促すためにも農協貯金を仮渡金の資金調達に使えるようにしてやればよい」
司会 「その前に仮渡金の資金の流れを説明してください」
土門 「全農が農協を通じて農家に支払う仮渡金の資金調達ルートの首根っこを締めてやることだ。農協は集荷の際、農家に仮渡金を払うが、そのための資金は全農を通じて調達している。全農は、その資金を農林中金から借りている。もう説明の必要はないと思うが、農林中金の資金は、農家が農協に預けた貯金だ。農家は、仮渡金をもらって喜んでいるが、これには金利と手数料がかかっている」
土門 「グッドポイントだね。そもそも7000円にしたのは、全農が無い袖は振れなくなったということだ。仮渡金を高くすれば、コメ余りの中で全農にコメがドンドン集まってくるからだ。先の統計資料でも、米余りになった04年から全農の取扱数量が増えている。農協が全農にコメを持ち込ませないように仮渡金水準を下げてブレーキをかけたと見るべきだ」
司会 「目から鱗ですね」土門「全農と農協が一枚岩というのは、昔の話。いまは狐と狸の化かし合いではないが、農協は品質の悪い『売れないコメ』を全農に持ち込み、『売れるコメ』は独自販売に回す農協もある。全農は、『売れないコメ』のゴミ箱と言ったら言い過ぎになるが、全農は一部の農協からこの程度に思われているようだ」
司会「農家と農協の関係もよく似た話がありますね」
土門 「品質の良いコメは縁故米に回し、品質の悪いコメを農協に出荷する。農家は現金なものだ」
司会「ところで全農の前途はどう見ていますか」
土門 「決算書に目を通すと、依然と厳しい数字が並んでいる。仮に米穀事業が過剰米処理で損を出さなくなっても、全農事業全体としてマイナスになるだろうな。他の部門でも農協の全農離れにピッチがかかる。全農がホントのピンチを迎えるのは、それが現実になった時だ。資産処理などで決算を繕ってきたが、それもやがて限界を迎える。事業本体の利益を出すことができなければ、民事再生法へ一直線ということにもなろう」
司会 「全農にコケにされた農水官僚に一言」
土門 「月並みだけど、元気出せ、だ。それと米政策改革大綱の初心に戻ることだ。全農ごときに翻弄されるようであったら、世間から情けない役所と思われるだけだ」
司会 「全農退治法はありますか」
土門 「ちょっと知恵を使えばよい。農協が全農に頼るのはコメの販売と仮渡金の調達だ。特に後者は農協の自立を促すためにも農協貯金を仮渡金の資金調達に使えるようにしてやればよい」
司会 「その前に仮渡金の資金の流れを説明してください」
土門 「全農が農協を通じて農家に支払う仮渡金の資金調達ルートの首根っこを締めてやることだ。農協は集荷の際、農家に仮渡金を払うが、そのための資金は全農を通じて調達している。全農は、その資金を農林中金から借りている。もう説明の必要はないと思うが、農林中金の資金は、農家が農協に預けた貯金だ。農家は、仮渡金をもらって喜んでいるが、これには金利と手数料がかかっている」
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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