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特集

酸素に注目する湿害対策
“湿害”は畑で起これば田圃でも

【心土破砕による排水性改善】

 戦中・戦後わが国は食糧不足に苦しんだことから、政府は食糧増産に力を入れた。このとき、最も効果的であったのは、心土耕プラウによる深耕であった。長年の畜力耕による犁底盤と言われる硬盤(不透水層)が破砕され、著しく排水性が良好となり、湿害をほとんど回避してしまったのである。

 それ迄、冷害と言えば湿害と言われたものである。つまり、冷害年は降水量が多く、低温に加え、湿害とのダブルパンチであったのである。排水性を良好にすると地温が高まるので、低温もあまり気にならない。それまでは、北海道では4、5年に一度の大冷害は覚悟しなければならなかったのに、いつのまにか冷害=湿害は死語になっている。

 地球が温暖化していると言われるのは最近のことである。50年前からトラクタの力によって深耕ができるようになり、北海道では冷害を克服している。この流れを汲み、現在のボトムプラウにも心土犁が装着できるようになっている。是非これを活用したいものである。メインボトムの耕深が仮に25cmとしても、心土犁の耕深が15cmであれば、40cmの深耕は可能である。

 最近、都府県では湿害が多発していると言われるが、冷害=湿害を克服した北海道からするとおかしいとしか言いようがない。地球が温暖化といわれる時代に湿害とは何かが狂っているとしか思えない。

 考えるに、これは長年のロータリティラの浅耕による硬盤形成が原因であろう。前述のバレイショ畑も同様であった。ここでは是非にボトムプラウの利用を薦めたいが、どうしてもロータリティラに固執するのであれば、ロータリティラに心土犁を装備することである。ロータリティラで硬盤を破砕しないことには先は見えない。ロータリティラにも改良進歩があって然るべきである。

 より積極的に圃場全体の排水性を良好にするために、昔からサブソイラがよく利用された。施工深60cm、条間隔75cmが開発公社などの標準であった。大体、一回施工すると5年は持続すると言われてきたが、最近、これがおかしくなってきた。昔ほどの効果は3年もないと言われる。

 これは何に起因するのであろうか。考えるに機械が大型化し、踏圧の影響が大きくなっていることによろう。ここで新しく登場したのがプラソイラである。サブソイラは土壌全体をリフトアップして剪断破砕するのに対し、プラソイラは7cm程の幅に作溝するだけのものである。

 これの排水効果はどうかと言えば、サブソイラに優ることが立証されている。余剰水は溝に集まり迅速に下層に流出する。これまでは土を砕くことにのみ執着していたのが盲点であった。砕かなくとも排水性を改善することは可能であったのである。発明者の発想を高く評価したい。一年に一度、条間隔は広くとも必ず施工することで作土の層を厚くすることも可能であり、湿害を大幅に回避できるであろう。

 より持続的に排水性を保ち、湿害を回避したいと言うのであれば、籾がら心破がお薦めである。疎水材が封入されていることにより、排水不良とされる粘質土壌でも排水性を良好にし、持続させることは可能である。

 籾がらがないと言うならば、粗粒火山灰でもよいであろう。建築廃材の木材チップなどでも差し支えない。養殖の貝殻を入れている地域もあり、これまでにない排水性とニンマリである。

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