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特集

酸素に注目する湿害対策
“湿害”は畑で起これば田圃でも

ケーススタディ 湿害の克服 起死回生の瓦土破砕

 茨城県中央部に位置する岩瀬町は、小高い山々に囲まれた小盆地にあり、古くから農業が栄えてきた町である。その中の富谷地域は、作土の下層が「瓦土」と呼ばれる硬い土質であり、雨が降ると浸透性の悪い土質が湿害を招いている。

 このような環境の中で、サブソイラによる心土破砕で、湿害を克服した農業者を紹介したい。


【コンクリートの水槽みたいな畑】

 平成7年、雨の日の翌日だった。

 菱沼英昌さんが隣の畑を見た後、自分の畑に目をやると、水が溜まっていないのは一目瞭然だった。

 菱沼さんは岩瀬町の農家に生まれ、稲・麦・大豆などを生産してきた。その間、コンクリートの水槽の中に畑があるような土壌条件の劣悪さに悩まされ続けてきた。なにしろ、作土は深くて15cm、浸透性が0に近いので、その下に作物の根が張れない。

菱沼「コンクリートなら、まだひび割れするけれど、この辺の土はひび割れもしない。作土をはねて、その下の黒い粘土質の土を屋根の瓦の材料となる『瓦土』にするくらいだから、硬盤から下は水が抜けなかったんですね」

 また、水田を転作して畑の作物を作り、翌年には田圃に戻すという転作には心を砕いた。ただでさえ排水性に劣る土質で、転作田のような極端な土壌条件の変化が起これば、お手上げ状態の湿害に見舞われることがしばしばだった。

 そこで菱沼さんは、湿害を克服しようと、平成7年に140馬力のクローラ型のトラクタを購入した。そして、所持していたサブソイラを取り付け、心土破砕を試みた。

 これまでサブソイラの爪を土中に深くめり込ませても引っ張れず、かといって浅くては効果がなく、サブソイラは宝の持ち腐れの感が強かった。けれども、強力なパワーを誇るトラクタとの出会いにより、サブソイラが活かされるようになったのだ。


【それぞれのスタンスに合った作業機を】

菱沼 「その昔は、馬や人間が圃場の上にいました。ところが今は重い機械で作土を踏むものだから、下が固まって層ができてしまいます。昔はもっと作物の根が伸びていたのに」

 作物の地上部に比べて地下の根の部分が少ないと、作物は不健全だと言われている。また、根が伸びきらないうちに窒素を多量に施用すると、子実に栄養がいき渡らず病害に対しても弱くなってしまう。逆に、根が伸びると作物は健全な生育を示す。

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