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家族と農業経営

家族経営協定が見失っているもの

勝手口は古臭いのかカッコイイのか


 農家に取材にいってお宅に上がろうとすると、奥さんは勝手口に姿を消す。私がのこのこついて行くと、

「ああ、ダメ。三好さんはお客さんだから、玄関から入ってね」
 といわれ、よく戸惑った。これを「嫁は家の正面から入ってはいけないとする、前近代的な風習」とする見方もある。

 私が住んでいるマンションには玄関はひとつしかない。自分専用の出入り口があるなんて、カッコよくて贅沢だ。都市と農村の文化が違うだけで、勝手口には美学がある。決して「遅れている」わけじゃない。

 同じようなことが協定に規定される項目のひとつひとつにいえるのではないか?

◆労働報酬の分配――月給制、年俸制などが推奨されているが、中には「財布はひとつでOK」という人もいる。必ずしも自分の名義に固執しない。夫のものは私のもの、ひとつの財布をどうやってやりくりするかが腕の見せ所……この考え方は、都会の専業主婦も一緒だ。

◆労働時間――毎日の労働時間○時間、週休○日と決めるのは、本来の就業形態に反していないか?
「農繁期は明け方から夜まで働いて、冬になったらのんびりできるのがいい」[トルコキキョウ子さん]

◆夫婦の役割――経営主、妻、後継者それぞれの役割をはっきり決めるようにとのことだが、「お父さんにいわれた通りにやるだけで、毎日が充実している」人もあれば、「私が先頭に立ってやらないと気がすまない」人もいて、夫婦によってバラバラ。夫婦や家族のあり方をステレオタイプなモデルケースにはめ込もうとするのは、却ってその家の個性や持ち味を損なう危険すらある。

 こういう意味のない事業は、いつまで続くのだろう?

「組織が存続する限り、永遠になくならないと思います。数年に一度ふっと形を変えて現れますよ」(坂口さん)

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