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江刺の稲

旧農基法起草者たちの理想と誇りを今に想う

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第78回 2002年08月01日

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農林水産省がわざわざ“消費者に軸足を移した”との断り書きまで入れて「『食』と『農』の再生プラン」を発表したことは、時代が変わったと歓迎すべきことだ。また、それが農業の構造改革や農協改革、農地法改正、食関連産業との連携を前提として進められるべきとあるのも望ましい方向である。“問うべきは我”を基本に置く本誌としては農水省の政策変更にいらぬ野次を飛ばすつもりはなかった。しかし、“再生プラン”の一貫として農水省が開発した新食材の試食会を開くことに関する農水省からの取材依頼を見て、つい僕の天邪鬼が目を覚ました。そこには「ブランド・ニッポン」と銘打った食材を使った有名ホテルのシェフによるフランス料理試食会が開かれるとあった。自らの居場所作りに躍起であるためか、その行事や案内の時代錯誤に笑わされただけでなく、農水官僚がそれに気付かないでいることを情けなく思った。
 農林水産省がわざわざ“消費者に軸足を移した”との断り書きまで入れて「『食』と『農』の再生プラン」を発表したことは、時代が変わったと歓迎すべきことだ。また、それが農業の構造改革や農協改革、農地法改正、食関連産業との連携を前提として進められるべきとあるのも望ましい方向である。“問うべきは我”を基本に置く本誌としては農水省の政策変更にいらぬ野次を飛ばすつもりはなかった。しかし、“再生プラン”の一貫として農水省が開発した新食材の試食会を開くことに関する農水省からの取材依頼を見て、つい僕の天邪鬼が目を覚ました。そこには「ブランド・ニッポン」と銘打った食材を使った有名ホテルのシェフによるフランス料理試食会が開かれるとあった。自らの居場所作りに躍起であるためか、その行事や案内の時代錯誤に笑わされただけでなく、農水官僚がそれに気付かないでいることを情けなく思った。

 農水省あるいは各研究機関がその成果を広報することは当然だろう。また、独自性ある日本固有の開発食材の利用を勧める気持ちも解る。

 イベント開催にあたって送られてきた取材案内には、国賓を迎えてのパーティー(というより成金の結婚式)か何かの様に大層な席次表まで付いている。小泉総理を筆頭に農水大臣や農水官僚のお歴々、そして会場提供と調理を受け持った高名なシェフを抱える某高級ホテルの料理長や支配人、それと関係が深いのであろう企業人の名前。しかも、記者席、カメラ席はここと断りが付き、取材に当たっての注意事項まで書き記されている。幾つかの報道はされたが扱いは小さかったようだ。

 これはつまるところ国産食材愛用キャンペーンである。しかし、農水省主催でそんなことまでやる時代なのか。また、それでどんな成果が上がるのだろう。かつて、お米消費拡大キャンペーンというものがあったが、それにどんな成果があったのかを思い出してみるべきだ。

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