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【村井信仁・67歳からの新規就農日記】
ヤーコン栽培に挑戦しよう!
- 農学博士 村井信仁
- 第7回 2002年08月01日
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ヤーコンは機能性食品として知られ、最近、評判を高めている。フラクトオリゴ糖が多いことからダイエット効果がある、お腹の調子を良くする、血液や血行を正常に保つ、便秘を直し、便通を良くするとなれば、現代人に注目されない訳がない。
機能性食品と言っても、食味が悪いと人気を落としてしまうが、ヤーコンの場合は梨のような食感であり、甘味もあって全く抵抗なく食することができる。サラダにしても良く、きんぴらやてんぷらにしても美味しい。これが人気を高めている由縁である。
ヤーコンの栽培は比較的容易である。苗を作り、黒フィルムのマルチに移植するだけである。原生種に近いためであろうか、病害や虫害に侵されることもなく、農薬散布の必要もない。今時珍しい作物と言えよう。
これほど便利な作物が何故面積が増えないか、この原因を探ると、増殖が面倒であることに尽きるようである。サツマイモなどは、イモを苗床に埋め込むと茎がぐんぐん伸びるので、これを切り取って苗にすればよい。サトイモは一杯付いた小イモを種子にできるので、特に面倒なことはない。バレイショは塊茎を種子にするので、増殖率は悪いと言われるが、それでも300kgの種子で15倍にあたる4500kgの収穫を見込むことができる。長イモの切片栽培が10倍程度であることからすれば、ヤーコンもせめてこの程度でありたい。
しかし、ヤーコンは塊根を収穫した後、塊茎を残しておき、この塊茎に発生する芽を種子とするのが一般的である。一株一塊茎であり、ここに塊茎芽が5つしかないとすれば、5倍の増殖率でしかない。塊茎の貯蔵も面倒であるならば、この塊茎芽を切り取って種子にするにもテクニックがいるので、評判になりながらも面積が増えないのが実状である。
そこで、この難しさに敢えて挑戦することにした。バレイショの種子貯蔵の技術を活用し、塊茎を理想的な温度で貯蔵すれば塊茎芽を増やすことも可能ではないか。また、紙筒で苗を育成すれば、小さな芽も大きな苗に仕立てることは可能であり、省力的に移植することができるのではないかと考えた。
そして、この2年の経験で大部先行きが明るくなってきた。適切な温度・湿度管理をすれば塊茎芽の数が増えることが分り、健全な塊茎芽を採取できるようになった。種子として使えるかどうか不安な塊茎芽も、伏せ床で発根させることにより、良苗になり得るかどうかを確認できるようになってきた。
機能性食品と言っても、食味が悪いと人気を落としてしまうが、ヤーコンの場合は梨のような食感であり、甘味もあって全く抵抗なく食することができる。サラダにしても良く、きんぴらやてんぷらにしても美味しい。これが人気を高めている由縁である。
ヤーコンの栽培は比較的容易である。苗を作り、黒フィルムのマルチに移植するだけである。原生種に近いためであろうか、病害や虫害に侵されることもなく、農薬散布の必要もない。今時珍しい作物と言えよう。
これほど便利な作物が何故面積が増えないか、この原因を探ると、増殖が面倒であることに尽きるようである。サツマイモなどは、イモを苗床に埋め込むと茎がぐんぐん伸びるので、これを切り取って苗にすればよい。サトイモは一杯付いた小イモを種子にできるので、特に面倒なことはない。バレイショは塊茎を種子にするので、増殖率は悪いと言われるが、それでも300kgの種子で15倍にあたる4500kgの収穫を見込むことができる。長イモの切片栽培が10倍程度であることからすれば、ヤーコンもせめてこの程度でありたい。
しかし、ヤーコンは塊根を収穫した後、塊茎を残しておき、この塊茎に発生する芽を種子とするのが一般的である。一株一塊茎であり、ここに塊茎芽が5つしかないとすれば、5倍の増殖率でしかない。塊茎の貯蔵も面倒であるならば、この塊茎芽を切り取って種子にするにもテクニックがいるので、評判になりながらも面積が増えないのが実状である。
そこで、この難しさに敢えて挑戦することにした。バレイショの種子貯蔵の技術を活用し、塊茎を理想的な温度で貯蔵すれば塊茎芽を増やすことも可能ではないか。また、紙筒で苗を育成すれば、小さな芽も大きな苗に仕立てることは可能であり、省力的に移植することができるのではないかと考えた。
そして、この2年の経験で大部先行きが明るくなってきた。適切な温度・湿度管理をすれば塊茎芽の数が増えることが分り、健全な塊茎芽を採取できるようになった。種子として使えるかどうか不安な塊茎芽も、伏せ床で発根させることにより、良苗になり得るかどうかを確認できるようになってきた。
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村井信仁
農学博士
1932年福島県生まれ。55年帯広畜産大学卒。山田トンボ農機(株)、北農機(株)を経て、67年道立中央農業試験場農業機械科長、71年道立十勝農業試験場農業機械科長、85年道立中央農業試験場農業機械部長。89年(社)北海道農業機械工業会専務理事、2000年退任。現在、村井農場経営。著書に『耕うん機械と土作りの科学』など。
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