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タイやオーストラリアでも販売開始予定
新潟県上越市の「安心と安全を考える会」(内山義夫代表)が、コメの輸出活動に力を入れている。
同会は有志のコメ生産農家5名による任意団体で、これまで海外の見本市に参加しながら、現地のバイヤーと関係を築いてきた。既に台湾やタイ、シンガポールといったアジア各地のほか、オーストラリアにも営業活動を展開しており、先行事例地となる台湾では、18年産米から取引を開始。現地消費者や日本料理店などの需要に対し、19年産米は年間5tの出荷を見込んでいる。
「国内需要が先細りしていく状況で、今後も自分たちのコメ作りを続けていくためには、海外に新天地を求める必要があった。将来、我われの後継者が活躍するのは、海外になっていくだろう」と、内山氏は輸出戦略の意義を語る。
全農でもコメ輸出の試みは行われているが、同会はコンパクトな組織ゆえに、フットワークが軽いのが強みだ。台湾へは2カ月に1度のペースで足を運んでおり、台北だけでなく、台中や高雄といった各都市の百貨店もまわっている。日本の生産者が自ら店頭に立ち、積極的に試食を勧める姿に、「消費者は大変驚いている」(内山氏)という。こうした営業活動の積み重ねによって、取引先からの評価や信頼も上がっている。
なお、パッケージには「越光米100%」の北京語表記はあるものの、敢えて日本語を多用し、台湾で強いブランド力を持つ「日本産」であることを強調。また、水事情が日本ほどよくない台湾では「免洗米(無洗米)」であることも大きなセールスポイントになっており、そのままミネラルウォーターを加えて炊飯できることをアピールしている。台湾の平均的なコメに比べると4倍の価格設定だが、こうした付加価値が競争力を高めているものと言える
同会では、台湾に続いてタイのバンコク、オーストラリアのブリスベンでも、近日中にコメを販売する予定。2008年にドバイで行なわれる見本市への出展も検討しており、世界的視野での販路拡大を狙っている。
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