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――来年も暑かったらどうします?
秀人:その対策はもう考えてある。冷却パイプを溶液の中に直に通す。それから国産では無理といわれている9月初旬出荷の「ブロッコリー」もつくってみたい。苗を涼しい水耕で育てて「9月や」と思わせる。それを土に移して大きくしたらええんや。
――そ、そんなこと、可能なんですか?
聡:さあ。やってみないことには……。
秀人:それが成功したら「夏イチゴ」もやってみよう(笑)。
このお父さん、ちっともメゲていない様子。厳しい状況下にあっても、無駄な労力は使わず「楽」をして、手の内にある駒を生かして何ができるか。サラサラ流れる水音と共に、しなやかでしたたかな“強さ”が伝わってきた。
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金川秀人 カナガワヒデト
琴秀園
昭和19年兵庫県の農家に生まれる、昭和37年に高校を卒業後、平成2年まで電気関係の会社に勤務。昭和62年より土耕ハウスでの軟弱野菜の栽培を兼業で始め、平成3年より水耕栽培を導入。現在に至る。
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