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特集

農薬は誰のために?



 行き着くところまで行き着いた感さえある日本人の食に対する間違った方向への潔癖性。このことが無登録農薬の使用と無関係とは言えないと感じる関係者も多いでしょう。農作物を年中同じ品質と価格で入手したいという無理な要求。現場を無視した減農薬指向や無意味なまでの食品に対する健康指向。傷一つ虫一匹認めない作物の工業製品化。他への影響を省みず安易な低価格化を進める食品輸入。これらの歪みが日本農業を混乱させ、無理なコストダウンや栽培方法を農家に強要している事例も否めないでしょう。そういった消費志向を生み出した流通業界や宣伝業界、それらの情報を垂れ流ししたマスコミらは猛省すべきだと言えるのではないでしょうか。


今後、農家に求められることは


 現在の農薬行政や農業を取り巻く環境には様々な問題があります。今回の事件にふたをする目的だけで規制や罰則を強化するとすれば農家や消費者にとっても混乱を助長することになります。無登録農薬がはびこらないで済む環境づくり、全ての農家が全ての作物を自信を持って栽培できる土台づくりが必要になってきます。そういったことの解決には真っ正面から取り込んで色々な規制を緩和していく必要があるといえます。単なる規制強化ではなく骨太な論議が待たれます。

 一方で無登録農薬に手を出さないのは当然としても、その他のことについても農家一人一人が遵法経営の意識を再確認する必要があります。食料生産に対する信頼性は落ちてしまいましたから、自身の農場で使用している資材の開示を求められる場面が増えると考えられます。防除歴の整備やデータベース化、使用資材の入手経路やその内容物や性能の把握など説明責任を果たすべく、さらなる努力が必要でしょう。さらには産直や流通サイドと協力したトレーサビリティー確立へ向けた取り組みなどへの関心が高まることが予想されます。それらにいち早く対応することが出来れば、今回の逆風を順風に変えることができるかもしれません。

 最後に以上のことを箇条書きにしてまとめとします。

1:農家も食品産業を担う一員である。遵法精神を持っていないと市場からはじかれる。
2:現在の法制には問題がある。それらの改善をねばり強く訴えていく。
3:消費者や流通サイドに農業の実態や食品の本質を伝えていく。
4:自分の生産物に対して説明責任を果たせるように準備しておく。
5:産直拡大やトレーサビリティの確立を目指し、食の信頼の回復に努める。

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