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特集

農薬は誰のために?


橋野 費用と、もう一つは時間でしょうか。さきほど、築根さんがおっしゃった県の特殊事業を使ったとしても、適用拡大にはマイナー作物でも最短で2年かかりますし、マイナー作物に該当しなければ3年はかかるのです。登録に要する期間の短縮には特別措置はとられていませんので、タイムリーな対応ができないのです。つまり、現時点でマイナー作物対策が大規模にとられたとしても、登録が正式に降りるまでの1~2年間は、その農薬の使用について県も農協ももちろん指導できません。しかし農家は作物を生産しないといけませんから、情報をもらって自分たちはそのリスクを負いながらも、その農薬を適用外で使わざるを得ないという事態が生じているのです。
築根 適用拡大に必要なのは、効果試験、薬害試験、残留試験などです。マイナー作物やマイナー害虫に対しての効果試験では、6例が2例になる特例があるのですが、やはり一番重要なのは作物残留試験です。作物残留試験の2例は、食の安全性からも省略できないわけですし、これに最もコストがかかっています。

農薬のリスクとベネフィットをきちんと議論する


昆 業界規模が3千億円しかない農薬業界が、国民の安全を保証するためのコストをすべて負担することには、確かに無理があるように思えます。その意味で、何らかの形で国民の税金でそれを保証していく環境を作っていくことは、正しい考えだと思います。“登録農薬の販売・使用”“情報公開”ということは、これから更に要求されてくるであろうし、食の安全という意味では必要なことだと思います。そこで、今回の座談会でマイナークロップ等の問題について語っているのは、現状では誰かが嘘をつかなければならない状況が存在しているからなのです。建て前ではいくらでもきれいごとが言えますが、今の法律では誰かがそのために嘘をつかなければならない。誰だって嘘なんかつきたくないのにです。だからこそ、外食や量販の人たちがこの問題を自分たちのこととして捉える必要があるし、彼らがメディアとなって消費者にもそういった現状を伝えていく必要があるのだと思うのです。
橋野 農薬取締法が施行された当初、まがい物の農薬が出回ったりしていたために、その効能を保証することが必要とされ、効果試験、薬害試験が条件付けられることになりました。また、消費者に対する安全性を担保する視点から残留試験が行われています。私たち農薬メーカーが負っている食の安全性に対する責任は当然ながら今後も重くなっていくでしょうから、残留試験はさらに重要なものとなっていくでしょう。

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