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特集

農薬は誰のために?



「信頼」を獲得した者が選ばれていく時代へ


昆 BSE問題から偽装表示問題、そして今回の無登録農薬と、先ほど橋野さんが「起こるべくして起こった」と表現されていましたが、こういう状況が生まれてきた原因は、行政・農薬業界・農協そして生産者自身が、分かっていながら問題を放置し続けてきた“怠慢”にあると思うのです。それを反省した上で問題の解決に取り組んでいくことが必要です。それにはまず、行政が責任逃れをしてはいけない。生産者も、単なる作業員としてではなく、顧客を持つ経営者として、顧客に対する倫理観を持った上で農業経営を行わなければなりません。これからの日本の農業をそういう人たちが中心となって背負っていかなければ、食の安全を追求するなどということは不可能なのではないでしょうか。中国からの輸入野菜に許容値以上の残留農薬が検出されたことで喜んだ人たちがいたようです。翻って日本の農産物は安全なのかと考えた時、そうとは言えない現実が今私たちの前に存在しています。そのことを踏まえた上で嘘をつかないでもよいシステムを作る必要があるのではないでしょうか。最後に皆さん一言ずつお願いいたします。
築根 昆さんがおっしゃるような経営者としての意識を持っている農業経営者たちと、高齢化、兼業化している農家に、大雑把に言えば日本の生産者が二極化しつつあるようにも思えるのです。農薬についての知識も豊富で情報力も高い経営者がいる一方、なかには水稲除草剤を殺虫剤と間違えて育苗箱に散布してしまう方もいらっしゃる。こういった二極構造に対応した農薬のあり方も考えていかなければならないのかも知れません。やはり農薬の中には劇物もあるわけですから、それを取り扱うための資格制度といったシステム、しかし高齢者の方も、農業を続けられるようなシステムといったことが考えられても良いのかも知れません。
昆 確かに、農薬取締法が施行された当時とは生産構造も大きく変化しているわけですから、新しい普及のさせ方や仕組み作りが再検討されるべきだと思います。ただ、生産単位がどんなに小さかったとしても、人様の口に入るものを作ってお金をいただくという点においては同じですし、そこで求められる安全性に関する倫理感も同じはずです。そこには、高齢者かビジネスファーマーかといった違いがあってはならないものでしょう。
橋野 お年を召されて趣味の範囲で農業をやっている方々は別として、プロとして農業をやっている方々、とりわけ契約栽培などで顧客との直接のやりとりを行っている方々には、倫理観が非常に高い人たちが多いというのも事実だと思うのです。彼らの多くは農薬の散布歴を詳細に記録しています。また、今一生懸命に産地形成に取り組んでいる農協などでは、そこにいる農家たちの意識も高まっていますので、メンバー全体の倫理観が高いと感じることが多いです。

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