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特集

農薬は誰のために?


 また話は変わりますが、GLP(検査実施適正基準【グッド・ラボラトリー・プラクティス】の略で、食品衛生検査施設の業務管理に使われる単語。食品のサンプリングから検査成績書発行までの全行程を一元的に管理することで、検査データの信頼性を確保するもの)という情報管理の考え方があるのですが、それはいわば、すべてをメモにとることで記録に残していく方法です。もちろん、隠すつもりで改ざんしようと思えばいくらでもできるのですが、すべてが一貫して書いてあるので、その人が信用できる人であれば、その記録の信憑性が非常に高まるというものです。生産現場でもそういった考え方を導入するとよいのではと考えました。

伊東 農薬に関する情報をお客様に伝えていくことは、外食業界にとっては非常に勇気のいることです。その点では、おそらく量販店よりも外食産業の方が難しいと思っています。それは今食べようとしているものには、農薬が付いているという見方をされてしまうからです。「農薬=悪」という感覚は払拭されているとは言い難いのが現状です。現在、多くの業種業態が、仕入れた農産物に対して「優良」を謳っています。でもこれからの時代は、店舗が「なぜ優良なのか」を説明できなければお客様に見透かされてしまうのです。ですから、安易に有機だ減農薬だという時代はもう終わるのではないかと感じています。それらによって食に関しての本当の安心・安全を担保していくことができるのかというと、やはり難しいのではないかと思うのです。そして、農薬に頼らざるを得ない場面では、「適正な農薬を適正に使っていきましょう」という当たり前のことを、農薬メーカーや産地と一体となって進めていくことが肝要なのではないかと感じています。その為には、一企業ではなく、業界全体で考えなければならないことは言うまでもありません。
昆 その通りだと思います。そして、それを農薬業界と共に行っていくべきなのではないかと思うのです。なぜなら、農薬のリスクとベネフィットを最も理解しているのは彼らだからです。逆に農薬業界にも「農産物を食べる人たちのために」という考え方がほとんど浸透していないのが現状と言って良いでしょう。ですので、先ほど述べたように皆が同じテーブルに付くことが重要なのです。
 そして、これからは真面目できちっとした仕事をする人たちが、顧客の信頼を得て選ばれていく時代であって欲しいと思うのです。そしてそれは、官僚等に指導されたからといったことではなく、「商売を行う者としてそうするのが当然」という自発的な倫理観に基づいたものであるべきです。

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