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特集

農薬は誰のために?

定義の曖昧さと価格の高さが問題

 また、非農耕地用農薬や輸入農薬を実際に使用している方々は少ないのですが、使用もやむ得ない面があると捉えている方々は少なくありません。そして、実際に使用されているのはどちらも除草剤であることが分かります。また、「価格が安い」「農耕地用の農薬と同成分」というコメントが多く見られます。

 前者のコメントの背後には、農薬も含めた日本国内における農業資材流通のシステムや流通コストに関する指摘が含まれているのではないでしょうか。国際化の中で農産物価格は下がっています。しかし、国内の農業資材の価格はそれと呼応して下がってはいなのが現状です。もちろん、農薬には、価格の面だけでなく環境や人に対する安全性が求められますので、簡単に自由化とはいかないにしても、現在の国内メーカーや流通はそれに胡座をかいている部分があるのではないか、という思いが含まれているのではないかと感じました。“農業は食べる人のためにある”と考える時、農薬の安全性や適切な使用ということはもちろんのこととして、生産コストという面からも考えていかなければならないものであると本誌は考えています。

 また、「同成分なのになぜ農耕地では使えないのか」という疑問に対しては、前号及び今号特集の西田立樹さんの原稿をご覧下さい。ただ、そこには“農薬とは何か”という定義の問題が根本的なところで関わっているのではないか、その定義の不明確さが無登録農薬の問題も含めた農薬使用に関する混乱の一因ともなっているのではないかと考えました。

“食べる人たちに対する経営者としての責務”という観点から考えても、無登録農薬の使用者に対する罰則の導入は当然のことだと考えます。しかし、農薬の問題はそれだけでは解決しない部分が多く、その一端をこのアンケートからご賢察いただけますと幸いです。
(アンケート実施日:平成14年10月7日)


A:今回の“無登録農薬問題”について、ご意見ご感想をお聞かせください。

●コメント抜粋

【商品ではなく成分登録に】

 無登録農薬全てに問題があるとは言えない面があると思います。例えばA社とB社が同じ成分の農薬を生産しているとしても登録の更新をA社がしなければ無登録農薬になってしまいます。こうした農薬は無登録農薬と言うよりも失効農薬と呼んで区別すべきではないでしょうか。

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