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【江刺の稲】
安沢英雄氏(オリジン東秀会長)のご冥福を祈る
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第81回 2002年11月01日
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本誌2001年5月号の「編集長対談」に登場いただいたオリジン東秀(株)代表取締役会長の安沢英雄氏が去る10月7日にがん性腹膜炎のため亡くなられた。享年61歳であった。
その訃報に接して、あらためて読み返してみたところますます意義深く、同氏への追悼を込めて27頁にインタビューの全文を再掲載させていただいた。
故安沢英雄氏の創業は1966年。中華料理店「東秀」を開店したことに始まる。さらに1994年、量り売りの惣菜と持ち帰り弁当を併売する「オリジン弁当」の第1号店を開店。1gからの計り売り、食材にこだわり、塩分も甘さも控え、化学調味料や防腐剤や添加物を使わない同社の惣菜と弁当は人気を博し、同社の急成長の礎となった。1997年に会社の商号を「株式会社東秀」から「オリジン東秀株式会社」に変更、同時に株式を店頭公開し、その後も目覚しい成長を遂げている。
筆者が故安沢英雄氏に直接お話をうかがったのは、そのインタビューが最初で最後の一度きりのことである。
でも、同氏の日本の「食」と「農業」そしてその土台となる「土」への思い、「国民のための基準食」というテーマを持った新しい食文化作りの事業を成功させようという強い意志と経営理念に感銘を受けた。その言葉は単なる農産物調達者のものではなかった。安沢氏の言葉には自らが「農業」と「土」に関わる当事者たろうとする者の責任と自負が感じられた。
同氏は農産物に安全や本来の味を求めても、極端に「有機だ、無農薬だ」等と言う人ではなかった。土と作物のための循環を取り戻すこと、そして農業人たちが“お客様の立場に立って”選ばれるための競争に取組もうと呼びかけていた。農業として本来あたりまえのことである。
インタビューの3年前、同氏はガンを手術され胃と脾臓を全摘出、膵臓の一部も切除したと聞いた。数時間おきに安静を取りながら仕事をされているとのことだった。
その訃報に接して、あらためて読み返してみたところますます意義深く、同氏への追悼を込めて27頁にインタビューの全文を再掲載させていただいた。
故安沢英雄氏の創業は1966年。中華料理店「東秀」を開店したことに始まる。さらに1994年、量り売りの惣菜と持ち帰り弁当を併売する「オリジン弁当」の第1号店を開店。1gからの計り売り、食材にこだわり、塩分も甘さも控え、化学調味料や防腐剤や添加物を使わない同社の惣菜と弁当は人気を博し、同社の急成長の礎となった。1997年に会社の商号を「株式会社東秀」から「オリジン東秀株式会社」に変更、同時に株式を店頭公開し、その後も目覚しい成長を遂げている。
筆者が故安沢英雄氏に直接お話をうかがったのは、そのインタビューが最初で最後の一度きりのことである。
でも、同氏の日本の「食」と「農業」そしてその土台となる「土」への思い、「国民のための基準食」というテーマを持った新しい食文化作りの事業を成功させようという強い意志と経営理念に感銘を受けた。その言葉は単なる農産物調達者のものではなかった。安沢氏の言葉には自らが「農業」と「土」に関わる当事者たろうとする者の責任と自負が感じられた。
同氏は農産物に安全や本来の味を求めても、極端に「有機だ、無農薬だ」等と言う人ではなかった。土と作物のための循環を取り戻すこと、そして農業人たちが“お客様の立場に立って”選ばれるための競争に取組もうと呼びかけていた。農業として本来あたりまえのことである。
インタビューの3年前、同氏はガンを手術され胃と脾臓を全摘出、膵臓の一部も切除したと聞いた。数時間おきに安静を取りながら仕事をされているとのことだった。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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