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村井信仁・67歳からの新規就農日記

プラソイラから考えること

プラソイラによる簡易耕


 さて、プラソイラはもっと新しい形に発展する可能性が出てきたように思える。それは台頭してきたスタブルカルチベータからの刺激である。

 スタブルカルチベータとはその名の通り、麦稈などの刈株を処理するために使われる機械である。すなわち、麦稈を年内に発酵分解させたいとすれば、まずバクテリアのために窒素分を圃場に散布し、表層を撹土して、可能な限り刈株を埋め込むようにする。有機物は埋め込まれることによって水分を得る。表層は暖かいので盛んにバクテリアが活動して発酵分解を促進する。こうしておいて秋にボトムプラウで深耕、反転・鋤込みをすれば、土壌の微生物性が改善されるばかりでなく、有機物は無機化し、春から可給態となって作物に吸収され、有効利用される仕組みである。

 こうした手間を惜しむと、麦稈などの有機物は翌年の春に地温が高くなってからバクテリアが活動する。バクテリアは作物が吸収すべき窒素分を消費するので、作物は幼苗期に窒素飢餓の状態に陥り軟弱に生育することになる。弊害はそればかりではない。夏になって発酵分解が終了すれば窒素分を放出する。不要な時期に窒素分が過多になれば、茎葉だけが繁茂するなどして結実に大きな影響をもたらす。

 欧米でスタブルカルチが発達しているのは、小麦の作付けが多いためであろう。このスタブルカルチがわが国に導入されると、水田などの簡易耕に多く使われ、独自の形に発達してきた。畑作にも浸透し、ヘビースプリングカルチベータ的な使われ方をしている。多少の反転性を兼ね備えていることから、ヘビースプリングカルチベータよりも有用とされている。

 この種の耕起法は反転性にかなり改良を加えているとは言え撹土耕であり、反転・鋤込み耕とは基本的に異なる。悪い表現をすれば手抜き耕であり、土に感謝し、土を保全する考え方からは必ずしも好ましいとは言えない。しかし、精密除草機などが発達し、除草剤に依存しなくとも比較的容易に雑草処理ができる時代である。数年に一度は、必ずボトムプラウによる深耕、反転・鋤込み耕に心掛ける前提であれば、許されてよい耕法であろう。

 こうなると、プラソイラの特長を生かし、連数を多くして簡易耕はできないかとなる。より豊かな簡易耕のためである。プラソイラは前述のようにボトムプラウのような機能をある程度備えているので、単純なスタブルカルチとは内容が異なる。少ないとは言え、下層の土壌を上層に移し、混層的効果をもたらす。

 連数のうち幾つかを深くすれば排水性の改善にもつながる。何よりもけん引抵抗が少ないのが利点で、小型のトラクタでもけん引できる。あるいは高速作業で能率アップを図ることもできるなど、これまでにない境地を広げよう。

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