記事閲覧
【特集】
安全か安心か、農薬取締法の経営的とらえ方
- 編集部
- 2003年06月01日
- この記事をPDFで読む
座談会「食べる人と使う人の視点に立った農薬使用とは」
【出席者】西田立樹(「農薬ネット」主宰)、澤浦彰治(株式会社野菜くらぶ代表取締役社長)、加藤幸子(フリーライター)、森田泰治(仮名・某農業資材販売会社勤務)、昆 吉則(「農業経営者」編集長)
昆吉則(「農業経営者」編集長)今回の改正農薬取締法について、私は7割方評価しているのですが、情報公開や適用拡大の点では更に改革が必要だと考えています。また、この改正法を現実の農業生産に落とし込んでいくに当たっても、矛盾点や問題点が存在しています。そういった意味で、改革をもっと推し進めていくためには、目線の揃った人たちが立場の違いを越えて話し合いながら、様々な方向に働きかけていく必要があると考えています。農薬に関してはそもそもの登録制度にしても、あるいは経過措置にしても問題はあり、寄せられた質問全てに答えを出すのは難しいと思います。しかし、そのことを示すことも法改正を考える上での問題提起になるでしょうし、そういう意図で議論を進めていきます。
Q大麦では、畦畔登録の除草剤がありません
【質問1】稲には畦畔登録の除草剤があるのに、大麦では畦畔登録の除草剤がありません。私の圃場では、1本の畦畔を挟んで左に稲、右に大麦を育てていますが、対処する方法があれば教えて下さい。
森田泰治(仮名・某農業資材販売会社勤務)結論から言えば、対処法はありません。法律の不備だし、登録カテゴリーには「水田畦畔」という分類しかなく、農薬メーカーがこの質問にあるようなケースに合う登録をしようとしてもできない。法律を変える必要があると思います。ただし農地の範囲を示す明確な定義はありませんから、畑の周りを「農地ではない」と考えれば、除草剤を散布してもいいのではないかという解釈も成り立ちます。ただ、飛散の可能性や消費者への信頼の観点からすればリスクがあるし、使用できる除草剤はないと回答せざるを得ないのが現状です。
会員の方はここからログイン
編集部
安全か安心か、農薬取締法の経営的とらえ方
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)