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土門「辛」聞

米価大暴落がもたらす農業周辺業界への影響とは

 おかげというか、筆者の周りにはぬるま湯から出て敢然とマーケット相手に商売を営む資材業者が何人もいる。彼らは、この低米価をチャンス到来とばかりに腕伏す。集荷兼肥料業者は、この秋に集荷したコメもほとんど売り先を決めてしまっている。早くから農家を支払い態度や技術レベルや土の質に分けてAコース、Bコース、Cコースと分け、コースに応じた営農モデルを設定している。Aコースはプレミアム農家、土の質がよく、技術レベルもあり、支払いも滞らない。Bコースはスタンダード、すべてが平均的だが、そんな彼らが一定の利益が出るように、コストパフォーマンスの高い資材を組んでやる。Cコースは、支払いに問題ありなので、あれこれ与信を設定しての取引である。

 ある有機系肥料の某メーカーは、商社、卸、小売という従来のルートでの取扱いを段々と減らしている。社長の陣頭指揮で大規模生産者への直販ルートを開拓している。その社長の言い分は、「彼らを通すと、商社で数%、卸で10%弱、小売は20%もマージンをとる。全部足すと3割近くになってしまう。その分、生産者に利益を与えたい」と言うのである。なおかつ低米価にコストパフォーマンスを発揮するジェネリック的商品の開発にも余念がない。

 こうした動きを反映してか農業資材には変化が起き始めている。某商社系肥料メーカーは、結局、5社が統合して1社になってしまった。生産サイドでの統合再編はやがて流通サイドに飛び火していくに違いない。賢明な者は、それに備えて事前に手を打っておくのである。その手を打つ者が少ないので、先に手を打った者が先行逃げ切りパターンで勝者になるのだ。

 業者の一人が、医薬でジェネリック商品が出てきているのに、農薬でどうして出てこないのか、大いに問題だと憤慨していたことがあった。ジェネリックとは、特許切れ農薬のことである。ある卸は、インターネットで期限切れ直前農薬を売っていたこともある。農薬以外の資材でも、ジェネリック的な商品、たとえば、メーカー品と同等品質のものが半値以下で売ってくる業者は出てくるだろう。それが経済というものである。


盆暮れ勘定のツケを払うのは結局、生産者

 大規模生産者は、いずれメーカー直の取引となる。よき生産者は、グッド・ペイメントなのだ。現金払いなら値引きを求めることができる。盆暮れ勘定は、手数料・金利をタップリ取られて、結局は高い買い物になってしまうのだ。家計と経営をきちんと分離できて資材購入をツケにしなくてもすむように運転資金を手元に用意しておくことだ。

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