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チャレンジャーたちの農通インフォマート

流通、販売とタッグを組み、甘くて栄養価の高いフルーツキャロットを販売

本田浩久さん(42歳)は、熊本県・菊陽町でニンジンとマンゴーの栽培を手がけている。11月播きの春ニンジン5ha、8月播きの冬ニンジン10haを栽培。作業場近くの事務所には、いつもコンパクトなジューサーが置いてある。

搾りたての生ジュースが一気に飲めるフルーツキャロット

 本田浩久さん(42歳)は、熊本県・菊陽町でニンジンとマンゴーの栽培を手がけている。11月播きの春ニンジン5ha、8月播きの冬ニンジン10haを栽培。作業場近くの事務所には、いつもコンパクトなジューサーが置いてある。

 本田さん自ら、まな板と包丁を取り出し、スティック状に切ったニンジンをポンポンとジューサーに放り込み搾っていく。他の食材は何も入れない。ほどなくしてタンクに溜まった搾りたてのジュースをご馳走になった。ニンジンジュースが体にいいことは知っているが、リンゴやハチミツなど甘味を加えなければ、飲めないのではと思っていた。ところが――

 甘い。ニンジン特有の青臭さもない。そのまま一気に飲めてしまう。

「通常ニンジンの糖度は7度前後。うちのは10度前後がアベレージ。冬のピーク時には、12度になることもあります」
 このとき飲んだのは、春ニンジンのジュース。冬とれたものは、もっと甘いというからオドロキだ。調理しても、そのまま生で食べてもよいが、その本領を発揮するのは、なんといっても生ジュースである。本田さんはこれを「フルーツキャロット」と命名し、全国のスーパーや量販店を中心に販売している。


「コップの土」から「バケツの土」へ

 熊本県菊陽町は、もともと昼夜の寒暖の差が10℃前後の日が多く、それによって糖度が乗りやすいという地の利がある。が、それだけではこのニンジンは生まれない。

 かつて本田さんを悩ませていたのは、春先にできる「水ニンジン」だった。

「以前ロータリ耕でやっていたときは、春がいちばんキツかった。まるでコップの中でニンジンを育てているよう。作土が浅い中で育つから、雨が多いとどんどん水を吸って水膨れをおこして腐ってしまう。そんな状態が続いて収量が安定しませんでした」

 そんな矢先、千葉県・大栄町のニンジン農家、瀧島秀樹さん(本誌26号参照)の存在を知る。プラウで緑肥を鋤き込んで土づくりをし、無類の秀品率の高さを誇っているという。早速近隣の仲間、本田和寛さん、真弓一保さんと3人で、100kmずつ交代で車を運転し、一路千葉の瀧島さんの畑を目指した。

「それ以来、我々の栽培方法は瀧島さんのつくり方がベースになっています」

 仲間3人で90psのトラクタと三連プラウを共同購入。収穫後の畑に緑肥のソルガムを播き、残った肥料分を吸収させる。8月にソルガムを立てたまま土中45cmの深さまで鋤き込んだら、すぐ冬作の種を植える。

「緑肥が発酵する過程で、メタンガスが出ても、微生物がほとんど吸収してしまう。信じられないかもしれないけど、次作に影響はぜんぜんありません」

 ロータリからプラウへ切り替えたことで、「コップの土」が「バケツの土」に変わった。

「春作がぜんぜん違う。それまでは6月の後半までしか収穫できませんでしたが、今では7月の10日過ぎまで、水ニンジンにならずに安心して収穫できるようになりました」

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