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【農業経営者ルポ「この人この経営」】
農業を事業に、やるべきことは限りなく
- (株)野菜くらぶ 代表取締役 澤浦彰治
- 第51回 2003年09月01日
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現在、(株)野菜くらぶへの出荷農家は、法人・個人農家を合わせて45軒で、作付面積は約180ha。同社の経営計画では、今年度の粗生産額が8億4,000万円。モスバーガーを展開する(株)モスフードサービスとの契約取引で有名だが、他にも宅配組織「らでぃっしゅぼーや」、スーパーよしやなど、取引先は約60社に及ぶ。2年前には、本拠地の群馬県昭和村からはるか遠い青森県に、(株)野菜くらぶの第2農場ともいうべき約3haの農場、(有)サニタスガーデン(山田広治社長)を設立した。
この他に澤浦さんは、(株)グリンリーフも経営する。これは野菜くらぶへ出荷する野菜の生産や漬物加工、こんにゃくの栽培・加工を行う会社で、経営面積は35ha。今年の販売計画高は約4億4,000万円だ。
これだけ聞くと、いかにも農業新世代の旗手というイメージを受けるが、本人の話を聞くと、ここまで実に地道な努力を積み重ねてきたことがわかる。
澤浦さんの農業者としての出発点は、意外なことに養豚である。高校卒業後、畜産試験場での1年間の研修を経て、1984年に父・広治さんの農業を継いだ。といっても、もともと澤浦家は、こんにゃく農家。養豚は親豚5頭程度の“副業”だった。澤浦さんは、この親豚5頭を譲り受け、こんにゃく経営とは切り離した独立採算で養豚経営を任せてもらうことを条件に農業を継いだ。
澤浦家は、昭和村に代々続く農家というわけではない。ここは、戦後1947年に開拓造成された地域で、その後離農によって空いた農地を、1962年、澤浦さんが生まれる2年前に父・広治さんが購入して農業を始めた。広治さんも、もともと農家の息子だったというから、少なくとも3代前から農業者だが、開拓地への入植だけに “先祖代々の土地”という“呪縛”を背負っていない。
澤浦さん自身、“農地を守るための農業”という発想がない。純粋に職業として農業を選んでいる。ここが、これまでの多くの農家と決定的にちがう点かもしれない。
この他に澤浦さんは、(株)グリンリーフも経営する。これは野菜くらぶへ出荷する野菜の生産や漬物加工、こんにゃくの栽培・加工を行う会社で、経営面積は35ha。今年の販売計画高は約4億4,000万円だ。
これだけ聞くと、いかにも農業新世代の旗手というイメージを受けるが、本人の話を聞くと、ここまで実に地道な努力を積み重ねてきたことがわかる。
親豚5頭をもらって養豚を始める
澤浦さんの農業者としての出発点は、意外なことに養豚である。高校卒業後、畜産試験場での1年間の研修を経て、1984年に父・広治さんの農業を継いだ。といっても、もともと澤浦家は、こんにゃく農家。養豚は親豚5頭程度の“副業”だった。澤浦さんは、この親豚5頭を譲り受け、こんにゃく経営とは切り離した独立採算で養豚経営を任せてもらうことを条件に農業を継いだ。
澤浦家は、昭和村に代々続く農家というわけではない。ここは、戦後1947年に開拓造成された地域で、その後離農によって空いた農地を、1962年、澤浦さんが生まれる2年前に父・広治さんが購入して農業を始めた。広治さんも、もともと農家の息子だったというから、少なくとも3代前から農業者だが、開拓地への入植だけに “先祖代々の土地”という“呪縛”を背負っていない。
澤浦さん自身、“農地を守るための農業”という発想がない。純粋に職業として農業を選んでいる。ここが、これまでの多くの農家と決定的にちがう点かもしれない。
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澤浦彰治
(株)野菜くらぶ
代表取締役
1964年群馬県生まれ。84年に就農。「らでぃっしゅぼーや」との出会いをきっかけに有機・無農薬栽培を始める。92年、「野菜くらぶ」を設立。97年、モスバーガーに出荷する特別栽培野菜の契約農場第一号。その後、青森にも農場を設立し、地域を越えた農業を展開している。売上高15億円(連結)。経営面積32ha。
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