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江刺の稲

田中正保氏に「江刺の稲」を見た

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第91回 2003年09月01日

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“サバイバル”をもじった「サバイブ水田農業経営研究会(桜井博文会長・事務局=農工研水田整備研究室)」という集まりがある。レーザーレベラーを所有あるいはその水田農業経営への可能性を追求する農業経営者の研究グループである。8月7~8日の両日、第5回目の研究会が鳥取県で開催され全国から約百名の会員が集まった。  
 今回のテーマは「中山間地で生き残るための経営手法」。報告者でホスト役は鳥取県郡家町の田中正保氏((有)田中農場代表)。同氏が取組む「傾斜水田」の見学が今回のハイライトの一つだった。

 傾斜水田とは水口側から排水側に向けてレーザーレベラーで勾配を付け、稲作りに様々な効果をもたらそうという技術である。田中氏によれば、レベラーによる±2cm以内という均平効果だけでも深水管理と組み合わせることで除草剤の削減や無使用が可能になる。田に水を入れる時間も短縮される。田面に傾斜をつけることで水の走りはさらに良くなり、落水もスムースになり、水の掛け引きも容易になる。

 しかし、困難の時代に“生き残る”ことを目標とする会員たちの興味は、田中氏の“技術”へのチャレンジだけでない。“勝ち残る”のではなく“選ばれる”田中氏の経営理念と生き様に参加者たちは強い印象を受けたはずだ。

 田中氏は52歳。労働力は役員・従業員で7名、臨時雇用5名。約74haの経営耕地はすべて事務所から半径5km圏内にまとまっている。作物は水稲が約54.1ha(うち、酒米16.2ha、餅米6.4ha)であり、豆類約7ha、その他13ha。地域の和牛生産農家から大量の厩肥を集めて有機質肥料とした減農薬のコメを生産している(一部は有機無農薬)。さらに、プロの加工業者とともに製品化した様々な農産加工品を販売する。

 20インチの畑用プラウで20~30cmの耕起、40cmの心土破砕、10a当り2~3tの完熟堆肥散布、レーザーレベラーによる均平作業、深水管理を可能にする高さ20~30cmの畦畔造成、そしてポット育苗。

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