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特集

施設園芸の新たな技術と課題

今月20~23日の4日間、「第11回国際園芸技術展」が開かれる。本誌では、読者モニターを募り、会場に行っていただいて、その感想を6月号で掲載する予定である。我こそはと思う方々は是非ご応募いただき、意見をお寄せいただきたい。今回の特集では、施設園芸の技術分野で近年新たな動きのあったテーマを中心に紹介している。微生物農薬、被覆資材、自動制御システムなどの分野では、技術開発だけでなく商品の選択肢に拡がりも出てきている。

我が国における施設園芸経営の課題と可能性 ―日本は、増収のための努力を放棄してしまったのか―

大阪府立大学 大学院農業生命科学研究科 野菜システム生産学研究室 教授 池田英男(インタビュー・まとめ 編集部)

 我が国の施設園芸は、戦後一貫して成長し続けてきた分野であった。しかし、2000年を境にその勢いは衰え、農家数、面積ともに減少に転じている。逆に、全体の減少傾向が進む中で、50a以上の施設面積を有する規模の大きい経営体の数が近年増している(図1)。今までは、施設規模が小さい、施設が分散しているなど、経営効率の面で指摘されていた多くの課題は、成長の波にかき消されて後回しにされ続けてきた感がある。近年、比較的大規模な施設経営が増加する中で、「差別化」「品質重視」という商品単価を上げるための目標だけではなく、「増収」や「作業効率の向上」といった、経営効率を高める経営体系や技術体系について、我が国なりのあり方を探る時期がきているのではないか。

 日本の施設園芸は、増収のための努力を放棄してしまったのだろうか。省力化、低コスト化、環境問題と様々な経営課題に取り組んではいるが、収量の問題が正面から議論されていない。品質にこだわることは悪いことではない。量より質で勝負する経営のあり方もあってよいだろう。その点では、多様な経営形態があってしかるべきだと思う。しかし、それだけでは日本の食を支えることはできないのではないか。収量の増加は、土地生産性や労働生産性、資本生産性といったいずれにも、また低コスト化や環境負荷軽減、資源の有効利用などのどれを取っても、最も大きな効果をもたらすものである。現在の日本の施設園芸は、先進工業国の中では一番後ろを走っているような気がしてならない。この状態を改善していこうという取り組みがないのではないか

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