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木内博一の和のマネジメントと郷の精神

経営とは公平であること

リスク発想は経営者のエゴ

 経営において重要なのは〝公平"であることだと思う。常にリスクを考えていると経営は成功するというが、それはウソである。というのも「失敗したらどうしよう」というリスクの発想を生むのは、「自分はできる」というエゴだからだ。これでは最終的に自分のことしか考えなくなって、企業も成長しない。それよりも公平な立場で公平な判断をすることに心血を注いだ方が、世間から求められてるものを作ったり、社員が働きやすい環境ができたりして、成長につながっていく。

 公平でいるための一番の理想は、自分の目的が組織や世の中の目的と一致すること。それが大仰に聞こえるならば、自分をコントロールできないぐらいの大きな夢を描くことも公平な立場を維持すことにつながる。夢に対して「ここまで上ってみよう」という目的があれば、行動はリスクでなくて呼びかけになるのだから。

「和郷園」は、生産者組合の和郷園と、事業組織の和郷で構成されている。今までこの双方の対立はないし、平等対等の関係だと言い続けてきた。生産者が苦しくなったら流通も苦しいし、生産者が頑張っているなら社員も頑張らないといけない。

 こうした考えを持つようになったのは、ある生産者から聞いた話がきっかけだ。「農協へ出荷に行ったら職員が何も手伝ってくれなかった。あいつらヒマなのに給料はいい」と。生産と流通の間にこんなやっかみや壁が生まれたらダメだと強く思った。これを反面教師にした。


片方が苦しいときに両方苦しむ

 うまくいく時は大概、両方ともうまくいく。肝心なのは、片方が苦しい時に両方苦しむことである。そこでお互いが喜怒哀楽を共有すると、平等、対等の意識が生まれ、組織がまとまっていく。

 また公平を徹底させるため、会社では「喧嘩両成敗」のルールを設けている。ルールは二つだけで、もうひとつは「整理整頓」(これについては次号で説明したい)。別に難しいことではない。公平な関係の中、普通に普通のことを楽しめる環境。その環境が作れたら、結果的に人も会社も成長する。組織の力とは、信頼関係の力だ。そこから世間に伝わるものがでてきて、企業が潰れない強みになる。その全ての基盤となるのが、〝公平"ということだ。

 この連載では、公平という基盤のさらに下、地下一階から世間や事業を考えていきたい。

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