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「日本農業を守れ!」という叫び声も、農業関係者の居場所作りのために語られるとすれば、自立した農業経営者の登場は、むしろ彼らの存在を危うくするものなのである。
本誌の創刊意図は、戦後的農政の残滓とも言うべき現在の農政、農業組織、農業構造あるいはそこにある文化的状況を乗り越えて、農業経営者たちを真に日本農業の経営主体として登場させることである。しかも、弱者としての農民が政治活動や行政、団体組織に対してそれを求めるのではない。顧客(マーケット)や社会に必要とされて選ばれていこうとする一人ひとりの農業経営者が、その自負と誇りにおいてそれを実現することである。また、風土や環境やそこにある暮らしと歴史の意味を知る農業経営者であればこそ、現代そして未来に向けても大きな役割を果たせるからだ。
簡単に言ってしまえば、農業関係者ではなく農業経営者こそがリードする農業界を作ろうということだ。そして、農業、農民の利害を守るためにではなく、農業経営者が理念を共有する異業種の人々とともに、国内外のマーケットに、そして未来に向けて役割を果たしていく。農業という最も古い産業でありながら、まだ我が国においては関係者の業界はあっても、農業経営者が主人公になる業界はまだ確立はされていない。そんな草創期の業界であればこそ、その夢と責務と誇りを、皆で語っていこうではないか。「金融危機だ」「農業の危機だ」と騒がれる今、農業経営者より寄せられた年頭所感は、意欲と希望に満ち、極めて読み応えがある。
本誌の創刊意図は、戦後的農政の残滓とも言うべき現在の農政、農業組織、農業構造あるいはそこにある文化的状況を乗り越えて、農業経営者たちを真に日本農業の経営主体として登場させることである。しかも、弱者としての農民が政治活動や行政、団体組織に対してそれを求めるのではない。顧客(マーケット)や社会に必要とされて選ばれていこうとする一人ひとりの農業経営者が、その自負と誇りにおいてそれを実現することである。また、風土や環境やそこにある暮らしと歴史の意味を知る農業経営者であればこそ、現代そして未来に向けても大きな役割を果たせるからだ。
簡単に言ってしまえば、農業関係者ではなく農業経営者こそがリードする農業界を作ろうということだ。そして、農業、農民の利害を守るためにではなく、農業経営者が理念を共有する異業種の人々とともに、国内外のマーケットに、そして未来に向けて役割を果たしていく。農業という最も古い産業でありながら、まだ我が国においては関係者の業界はあっても、農業経営者が主人公になる業界はまだ確立はされていない。そんな草創期の業界であればこそ、その夢と責務と誇りを、皆で語っていこうではないか。「金融危機だ」「農業の危機だ」と騒がれる今、農業経営者より寄せられた年頭所感は、意欲と希望に満ち、極めて読み応えがある。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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