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今年の市場相場を読む

中国産減でと特需が生まれた野菜類 ニンジン/レンコン/ゴボウ/タケノコ

中国産野菜の敬遠気運はますます高まっている。小売店での生鮮販売はもちろんのこと、外食産業での使用や、ついには加工原料の分野においても国産へのシフトが目立つようになった。原材料の分野は、近年では輸入品が中心で、国産であっても契約的な調達をしていたため、あまり生鮮野菜の相場に影響を与えることはなかった。しかし2008年の傾向を見ていると、中国産に対する敬遠気運が高い品目に関しては、総じて高値推移となっている。産地としては、この現象を単純に喜ぶよりも、あくまでも“特需”として今後の対応を誤らないようにしたい。
ニンジン キロ150円と好調推移。10万tのパイを食う余地あり

 【概況】 東京市場のニンジンは、年間を通じて4割以上を占める千葉がトップ産地。夏場に増える北海道は25%前後のシェアで、それに4~5月がメインの徳島が続く。月に関係なく一定の数量が入荷されるが、やはり多いのは秋から年末。とくに11月から始まる千葉産の本格出荷時期には、価格も安くなるのが通例だった。しかし08年に関しては、11月までの平均でキロ単価は150円前後の好調推移となった。

【背景】 原因のひとつは、東京市場だけで06年に年間4500t、シェアにして5%ほどあった中国産が、07年には1300tと激減し、さらに08年は700t程度にまで減ったことがある。中国産の市場入荷が減っただけでなく、加工・業務筋の需要が国産にシフトしているため、産地との契約取引が増えている。その分、国産の市場出荷も減り気味で、千葉の産地を見ていると、畑にニンジンがあっても、それが市場に出荷されてこない様子がうかがえた。

【今後の対応】 加工・業務用の多くは、契約価格がキロ50円程度だが、3L以上に太らせてそれをコンテナ取り引きするのだから、単価は安くても反収が倍になる。細かい選別は不要、ダンボールもいらないなどの条件は悪くない。契約を基本にしつつ市場出荷すれば、08年の場合は手取りが結構あったはずだ。つい3年前まで10万tもの数量を輸入に頼っていたのだから、契約のパイは大きい。市場用から加工用までカバーする農業経営に好機といえる。

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