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【農水捏造 食料自給率向上の罠】
日米の農業基本計画比較から見えた農水職員の“無職責”
- 農業ジャーナリスト 浅川芳裕
- 第4回 2009年02月01日
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石破茂農相は12月2日、記者会見で食料自給率をおおむね10年後に50%まで向上させる国策達成のための工程を発表した。福田康夫前首相が昨年7月、50%以上へ上方修正(基本計画では45%)するよう指示し、麻生太郎首相が引き継いだ目標だ。同省は本工程表(表1)を2009年1月末に食料・農業・農村審議会に諮問にかける。その後、「食料・農業・農村基本計画」に盛り込まれ、2010年閣議決定される運びとなる。
国民生活、農業発展に実害を与え続ける、食料自給率という国策指標の廃止を目的とする本連載としては、包括的な代替案を早急に提案しなければならない。
「1月号で示された食料自給率に代わる指標試案はたいへん参考になりました。とくに200万の販売農家の6割120万戸が農業生産額の5%しか貢献していない一方、14万の成長農場・法人が60%を占めているデータには衝撃を受けました。しかし、冷静に考えると日本の経済成長、農業の産業発展の観点からみれば当たり前の話ですね。欧米先進国ではさらに少数の事業的農場が農業を担っているはず。そこで、こうした国々では食料自給率向上ではないどんな政策指標を政府が採用しているのか知りたくなりました」
国民生活、農業発展に実害を与え続ける、食料自給率という国策指標の廃止を目的とする本連載としては、包括的な代替案を早急に提案しなければならない。
「1月号で示された食料自給率に代わる指標試案はたいへん参考になりました。とくに200万の販売農家の6割120万戸が農業生産額の5%しか貢献していない一方、14万の成長農場・法人が60%を占めているデータには衝撃を受けました。しかし、冷静に考えると日本の経済成長、農業の産業発展の観点からみれば当たり前の話ですね。欧米先進国ではさらに少数の事業的農場が農業を担っているはず。そこで、こうした国々では食料自給率向上ではないどんな政策指標を政府が採用しているのか知りたくなりました」
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浅川芳裕 アサカワヨシヒロ
農業ジャーナリスト
1974年山口県生まれ。1995年、エジプト・カイロ大学文学部東洋言語学科セム語専科中退。アラビア語通訳、Sony Gulf(ドバイ)、Sony Maroc(カサブランカ)勤務を経て、2000年、農業技術通信社に入社。元・SOGULマーケット専門官。元月刊『農業経営者』副編集長。現在ジャガイモ専門誌『ポテカル』編集長。2010年2月に講談社より発行された著書『日本は世界5位の農業大国-大嘘だらけの食料自給率-』がベストセラーになる。最新刊に『TPPで日本は世界1位の農業大国になる ついに始まる大躍進の時代』(KKベストセラーズ)がある。
農水捏造 食料自給率向上の罠
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